第49話

するとイケメンも殴りかかってきたが、俺はそれをからだの中心を傾けることで素早く避けた。ここて膝を使わないのがポイントだ。膝を使うと一度反動が残り時間がかかるからだ。これは俺が見た動画で解説をしていた。


「どうせマグレだ」


俺は働いてそうな男がまた殴りかかってきたので俺はそれを同じ技を使い避ける。するとイライラしたのかより攻撃が単調になっている。


「フッその程度か」


俺はわざと煽り目線わ俺だけに集中させチラッと梨香を見て、逃げろと伝えた。すると梨香は妹なだけあってそれをすぐに理解すると美海さんの手を握ってばれないように離脱した。


今度は大学生くらいの男が鳩尾にパンチをしてきたが、俺は腕を少し捻りその攻撃をいなした。すると今度はイケメンが俺の鳩尾を狙ってきたので次は中段突きを外に逃がすようにして横に倒した。こいつ空手やっていたのか、少し攻撃が早く感じた。


「なんで当たんないだよ」


「無駄だ。ここで引き返してくれないと痛い目を見るぞ」


くそ、食らいやがれイケメンの男が渾身の中段突きをしてきた。俺はそれをさっきのように外に逃がして、相手の体制が崩れたときにかきじちという技を繰り出して相手の腹にパンチをした。するとイケメンは鳩尾を押さえている。始めてやったがうまくヒットしたようだ。


「さてまだやるか?」


するとパトカーの音がして近くから警察官がやってきた。どうやら親父が呼んでいたらしいな。てことは動画も撮っているだろう。


「大丈夫ですか?」


イケメンのほうに寄っていったが、親父が来て事情を説明すると男達が警察に捕まり、パトカーに押しこまれた。


「事情を詳しく聞きたいんで、署までご同行できますか?」


「はいわかりました」


俺達四人はそのままパトカーにのって署まで行った。署に着くと、ソファーに通されて婦警の人がお茶を持ってきてくれた。


「早速なんですが、この動画を見てください」


親父は携帯を操作して動画を見せた。動画は俺が殴られるとこから警察が来るまでを撮っていた。頬に殴られたときはまあまあ痛かったが、これを見ると先にてを出されてよかったと思った。一方的にぼこぼこにしてたら俺が手錠をかけられらとこだった。


「これは、、、、武術でも習っているのですか?」


「いいえ独学です」


「独学でこれほどとは、私でも敵うかわかりませんね」


マジで現役警察官にこういわれるのは嬉しいわ。俺の努力は実を結んだか。婦警さんがいつのまにか画面を食い入るように見ている。なんかうっとりした表情してないか?面倒ごとが起きる予感。


「尾関くん私の彼氏にならない?」


いきなりなに言ってるんだよ。この婦警さん。警察官はまたかという顔をしてる。梨香はとうとうお兄ちゃんにモテ期がとか言っているが、俺を好きなやつは今のところ1人だけだ。これは単に興味を持ったとかそいうぐらいのレベルだろう。


「あら、私じゃ不満かしら。これでも総合職で入ったから将来働かなくてもいいわよ」


そう言って俺に胸を押し当ててきた。うわ柔らか、これが胸の感触か。にしても働かなくていいか中学生の頃の俺が聞いたらすぐにうなずいてだろうな。俺は中学生の頃は専業主夫になりたかったからな。まぁモテないから諦めたけど。


すると美海さんがスッと立ち上がって俺と婦警さんの間に入り、腕を無表情で引き離した。無表情で怒ってるのか判断しづらい。


「あらあらまあまあ、仕方ないわね。そいうことなら諦めましょう」


どういうことだ?まぁ諦めてくれて助かるが。

俺には美海さんがいるからな。付き合ってないしまだ好意も森田を越えてないだろうが。たがいつか越えて見せる。そう決意をしてると美海さんはもとの場所に座った。まだ無表情だけど。


もうひとつ部屋から好青年ぽい人が出てきた。なにあれめっちゃイケメンじゃん。しかもモテそうな雰囲気を感じる。よくあんな人がいるなかで俺に手をだそうしたな。


「こっちは取り調べ終わりました。どうやら酔った勢いでナンパしてたらしいです」


酔った勢いきでナンパかよくあることだな。人は酔うと理性が弱まる。俺もお酒飲むようになったら気を付けるか。


「そうか、動画をここに送ってください。今日はもう帰っていいですよ」


「わかりました。このメールアドレスですね。はい送りました」


すると警察官はパソコンで確認をした後俺達を解放した。


「ふぅーやっぱり悪いことしてなくても警察署は緊張するな」


「うん、そうだね。それにしてもお父さん録画してたんだね」


「まぁな、酔っているように見えたから何があってもおかしくないと思ったから動画を撮っていたんだ」


「へぇーやるねお父さん」


親父はでれでれしていた。さすが娘を大好きなだけはあるな。俺も梨香は大好きだけど。結婚させたくないくらい。


にしてもいつまで美海さんは無表情なんだ?なんか恐怖を感じるんだけど。


「まさか、美海さんがあんな行動取るなんてね。これはそいうことですかな?」


ニヤニヤしながら梨香はそう美海さんに言った。そいうことってどういうことだよ。


「違うよ私は悟志くんが好きなんだよ」


慌てたようにそう言った。うん知ってる。直接本人がいうとショックを受けるな。俺のガラスのハートが砕けそうだわ。いやもう砕けたわ。

俺がズーンと沈んでいると、梨香がまだ私の見立てだとチャンスはあるよと耳元で言った。


そうか、まだチャンスはあるんだな。梨香が言っているなら間違いないのだろう。俺はそう思い好かれるように努力しようと誓った。


俺達は駐車場まで歩いた。警察署から地味に遠く疲れたわ。駐車場まで着くと、俺達は車に乗った。すぐに車を動かし美海さん家に向かった。いつの間にか無表情じゃなくなっている美海さんが、にこにこしながら俺に話しかけた。


「正弘くん今日カッコよかったよ」


美海さんに誉められた。これは好意がかなり上がったんじゃないだろうか。武術勉強してよかったわ。もっと極めて誰にも負けないようになろう。たとえ相手がヤクザでも。


「ありがとうもっと頑張る」


「でもなんで武術を勉強しようと思ったの?」


ここて正直に森田がヤクザぽいのを追い払って俺はなにもできなかったからというのはいわない方がいいな。助けなかったんだという烙印が押されるし。


「強くなりたくてな。誰かを守れるくらいに」


実際に守りたかったのだから嘘はついてない。

森田がカッコよかったのと、眩しくて嫉妬をしたのも理由のひとつだ。俺はいつか森田を追い越すのを目標に鍛練に励んでいる。


「理由かっこいいね。私が今度またこいう目に遭ったら助けてくれるかな?」


「いつでも助けてやるよ何処にいても」


このときの俺はあんなことになるなんて思いもしなかった。




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