第47話
「おっ長濱さんじゃないか」
親父が笑顔で長濱さんに元に行く。なんで名前知っているんだよ。親父は母さんと離婚してからやたらとナンパするようになった。今までの我慢を張らすようにな。まさかナンパしたのか。さすがに女子高生をナンパするのは事案だと思うんだが。ナンパしたい気持ちも分からなくもないが。
「なんだよその疑っている目は。一応言っとくがナンパじゃないからな。正弘の見舞いに来てたから知っているだけだ。さすがに俺でも女子高生はナンパしないぞ」
「ならいいが、もし言い寄られたら俺に言えよ。拳を落とすから」
「なんで息子に拳を落とされきゃいけないんだよ、、、、」
「大丈夫だよ。正弘くんのお父様にはよくして貰ったし」
「そうか、折角だし一緒の席でラーメンを食べないか?」
これで断れたら俺は死ねるな。断んないでくれと思ったが、美海さんは笑顔になったので大丈夫かと思いほっとした。
「いいよ、みんなで食べる方が美味しいしね」
よっしゃ一緒に食べれる。美海さんは食べてる姿も絵になるんだよな。美少女はなにしても似合う。ラーメンの食べ方は海外から見たらはしたないと言われるのにだ。
俺達は空いた席に荷物を置き、それぞれ販売機で買って席に座った。ここのラーメンは辛味噌が美味しい。だからもちろん俺は辛味噌ラーメンだ。美海さんは味噌ラーメンの食券を買っていた。俺達は食券を渡した。
「美海さんなんで千葉に来てたんだ?」
「聖地巡礼をしてたんだー」
まさか俺と同じ理由だとは。それだけ美海さんははまってるってことだよな。聖地巡礼はファンにとっては当たり前の行動だからだ。にしてもよくナンパされなかったな。
「でもなぜか写真撮ってると、男の人たちが近付いてきて写真撮りましょうかって言ってきたんだよね」
やっぱりナンパされてるのか。そりゃ写真を撮っていたら近付く口実にもなるしな。美海さんはインスタとかやってそうだが聖地巡礼って感じでインスタにアップしてるのかな。
「んで写真撮って貰ったのか?」
「ううん、ナンパもどきだったから断ったよ。それに自撮りの方がいいし」
自撮りってことはやはりインスタにあげてるのか。インスタのファンがうわーオタクかよとか思って離れなければいいが。
「それとインスタにアップしたら男の人のフォロワーが増えたんだよね。こんな美少女がオタクなんて女神だとかオタサーの姫とか言われたんだー。そんなに私可愛くないのに」
美海さんはこの通り自己評価が低いのだ。美海さんほどの美少女なんてそうはいないのに。しかもたまにアザと可愛い、まさしく日向坂のアザと可愛いという曲の通りだ。恋しちゃってるところとかな。
「そんなことないだろ。美海さんは誰が見ても美少女だ。出会い厨みたいなやつもなかにはいるから気を付けろよ」
美海さんは少し頬を赤くした。キモかったかな?でも本当に可愛いんだからこ言うのは仕方がない。
「ありがとう正弘くん。出会い厨の対処なら知っているから大丈夫だよ」
どうやらきもがられたんじゃなくて、ただ単に嬉しかっただけらしい。親父がなぜだかにやにやしている。正直そのにやにやはムカついて殴りたくなるわ。
するとラーメンが運ばれてきた。辛くて美味しそうだわ。ちなみに辛さは4である。俺はいただきますと言ってラーメンを食べる。辛さが口のなかに広がって美味しい。ピリ辛レベルで満足できない俺からしたら最高の辛さだ。
ラーメンを食べ終わると、俺達は水を飲みながら会話をしていた。
「そうだ、長濱さんも一緒に夜景を見に行かないか?正弘もその方が嬉しいだろう」
「いいんですか?親子水入らずじゃなくて」
「俺はいいぞ」
「私もいいよ」
むしろ美海さんと夜景を見れるなんてロマンチックでいい。それとアニメ好きとして美浜大橋とか、八幡が見た景色を見て貰いたい。アニメて実際に見た景色は感動するからな。
「それじゃー行きます」
「いやー身内以外の女子高生のせるのは久々だから安全運転しないとな」
久々って乗せたことあるのかよ。女子高生をナンパしてるじゃねーか。俺は疑った表情で親父を見る。すると親父は俺に耳打ちをしてきた。
「心配しなくてもお前の好きな子を取ったりしないから安心しろ。ここで距離を縮めるんだ」
なんて俺の好きな人がばれてるの?梨香はそんなこと話さないだろうし。俺の対応の仕方を見て判断したのか。
「あーそういえばお前にお見合いをお願いしてきた人がいたぞ」
すると美海さんの眉が一瞬だけピクッと動いた。なんでこのタイミングで言うんだよ。なにか理由があってこのタイミングなのか。それとも話題を提供するためか。
「却下だ。俺はお見合いをするきはないぞ」
すると美海さんは少し安堵の表情を浮かべた。
俺が婚約しないのが安心したのか。もしかして俺のことを少し気になっているとかか。彼氏候補になっていると嬉しいんだが。
「実は断れないんだよ。相手は上司の娘だからだ」
なんで上司なんだ?普通こいうのって取引先の相手じゃないのか。
「上司なら別に断ってもいいだろう」
「それはできない。相手は社長の娘だ」
いや社長の娘って婿にでもするつもりか。俺政治家になりたいんだけど。ていうか、娘さんは納得してるのか。普通婚約なんてしたくないだろう。
「はぁー行くだけならいいぞ」
「助かる。ちなみに相手は美少女で見合いをお願いしたのは娘さんだ」
テコとは俺の知り合いか。片手で数えるほどしかいないから思い浮かんだやつは候補だ。もしかして菅井か。見合いをセッティングするってことはすくなかラス俺のことを好きに近い感情をもっているってことだし。
美海さんは哀愁を漂わせてた。俺と誰かが付き合ってほしくないのか。すくなとも気に入られてはいそうだ。やっぱり助けたのが正解だったか。いや勘違いしてはダメだ。過去に仲良くなって違う人と遊んだら嫉妬してその知り合いと縁切ってといわれて切ってそのあと好きだと行ったら友達としか見れないといわれたこともあった。またあんなに悲しい思いはしたくないから勘違いをしない。親父は美海さんを見てニヤッとした。
「それじゃーそろそろ行くか」
俺達は店をでた。空は真っ暗で星が輝いていた。
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