第31話

俺は食べ終わると、ごちそうさまと言って皿を洗面台にいれて洗った。洗い終わると、梨花も皿を持ってきたのでそれも洗い。俺は歯磨きをして忘れ物がないかチェックした。俺は靴を履く。梨香の靴はないな先にでたってことか。俺は鍵を閉めて自転車のおいている場所に行くと、梨香が荷台にまたがっていた。


「送ってほしいのか?」


「うん、いつも1人だけどたまにはお兄ちゃんと一緒に行きたいなって思って」


梨香は部活をしていないが、いつも早く出る。しかも歩きだ。それにしてもなんだかドキドキするな2人乗りなんて。妹だけど、いい匂いがしそうだし。


「ちゃんと捕まっておけよ」


俺は自転車にまたがると、梨香はギュッと俺の腰を抱いた。おーい柔らかい男の夢が当たっているぞ。わざとなのかそうなのか。おっと興奮しすぎて変なテンションになったわ。梨香は無防備だし、他の男にもやってないだろうな。もしやっていたらその男を火炙りにしてやる。


「お兄ちゃんまだ行かないの?」


「いやもういくぞ、ちょっと考えごとしてただけだし」


俺は自転車をこぎはじめる。最初は重いが、いくらか進めばすいすいと前に進む。それにしても以外に胸でかいんだな。着やせするタイプか。まぁ俺は胸よりも足だが。長濱さんの足とかムチムチしていて最高だ。


「梨香痛くないか?」


「痛くないよー。むしろ乗り心地がいいよ」


まぁ俺は長濱さんをいつで物せられる世えにたまにリュックを荷台につけて学校行っているしな。だからバランス感覚には自信がある。


5分ぐらい漕いでいると、駅に着いた。俺は一回とまって梨香に降りてくれと言うと、梨香はぴょんと降りた。俺はそのまま駐輪場に止めてから、梨香の方に行き一緒に駅に入った。


はぁー視線が痛いな。高校に入ってから梨香と登校するのは始めてだから彼氏と勘違いされている。だから嫉妬をされて射ぬくような視線を向けるのだろう。梨香は学校でも指折りの美少女だ。だから思いを寄せるやつは多い。実際に何回か告白の現場をみたし。


だがどれも梨香は断っている。なぜかは知らないが。そんな梨香が俺と歩いているのだ。妬ましく思う気持ちも分かる。だが梨香は視線になれているのが気にしてる様子は微塵もない。


俺も中学の頃は梨香と帰っていたので、ある程度の視線にはなれている。だから俺はまたかと思いながらもあまり気にしてはいない。


「あ、零華ちゃんこっちだよ」


ん?誰かと行く予定だったのか。せっかく兄妹水入らずで登校できると思ったんだが。お兄ちゃんぼっちで登校するよ。俺は気づかないようにフェードアウトしようとすると、梨香に首襟元捕まれた。


「ぐぇ」


カエルがつぶれたよえな音が出た。いや聞いたことはないが。むしろ聞いたことあるやつがいる方が怪しい。まぁ物の例えだ。とりあえず襟元を離してほしい苦しくててをパタパタとしてしまう。


「お兄ちゃん勝手に行かないの」


すると梨香はパット俺のことを離した。


「ごほごほ。だって友達と登校するんじゃないのか?俺は空気を読んで離れたんだが。俺は別に梨香と登校できなくて悲しくはないぞ」


「そんなツンデレのテンプレのような台詞入らないから」


ジト目で俺のことをみてきた。そんな視線を向けられたら興奮しちゃう何てことはない。俺はそんな性癖なんかもっていないからな。どっちかというとショックを受けるタイプ。まぁ妹だからなれてるからこの場合は受けないんだが。


「んで、この子と関係あるのか?」


梨香の友達らしき人は目がくりくりとしていて鼻はすっと綺麗に通っていて背は俺よりも10cmぐらい小さく小動物のような庇護欲を掻き立てるようなルックスをしている。こりゃ男にモテモテだろうな。だが男慣れをしてないのかビクビクしている。


「そうこの子は細川零華だよ。覚えてない?」


俺はその顔をじっくりとみる。すると細川はビクビクとしながら俺を涙目で上目使いをしてくる。俺そんなに怖いか?今は目腐ってないと思うんだが。


「覚えてないな。こんなに可愛ければ覚えてると思うんだが」


すると細川は顔を赤くしてもじもじしだした。

なんか恥ずかしいこと言ったか俺。まぁ気にしても仕方がない。それよりまるでどこかて会っているような言い方だな。


「覚えてないな。どこかであったか?」


「お兄ちゃん覚えてない?中学生の頃暴漢に教われそうになっていた女の子を助けたでしょ。その子だよ」


たしかあれは雨の日だったな。路地裏で雨が収まるのを待っていたら悲鳴が聞こえて女の子が酔っぱらいに襲われそうになっていたから蹴飛ばしたんだっけ。そのあと女の子は隙を見て逃げ出したから顔をよくみていなかっただよな。

酔っぱらいはそのまま吐いたからほっといて家にそのまま帰ったんだけ。


「雨の日に襲われていた子か?」


「そうです。あのときは助けてくれたのにお礼も言わずに逃げてしまってすみませんでした」


そう言って細川は頭を垂直に下げた。いやむしろ逃げ出さない方が厄介になっていた可能性があるぞ。あのあと酔っぱらいの仲間が酔ってこっちに来たし。俺は来る前に逃げたけど。


「むしろあのときは逃げるべきだっただろ。だから謝んなくていいぞ。礼は受け取っておく」


「それで相談なんだけど、零華あれから男性恐怖症になっちゃって克服するために協力してくれないかな?」


あんなことが起これば恐怖症にもなる。だか俺なんかでいいのだろうか。こいうのは森田が得意な気がする。そしてフラグを立てそう。なんかムカついてきたな。


「お兄ちゃん俺でいいのか?って思っているかもしれないけど、少しでも接点がある方がいいでしょ。だからお願い」


恐らく細川は大切な友達なのだろう。俺にも責任はある。もっと早くに会えばこんなことにはならなかったかもしれないし。何回か会わせようとしてきたが俺は長濱さんが好きで勘違いされたくないという理由から断っていた。

 

「いいぞ、どうにかできるか分からないが」


「ありがとうお兄ちゃん」


「ありがとうございます。お兄さん」


細川はモゴモゴと顔をか赤くしながら言った。思わず頭を撫でたいほど庇護欲をそそる。可愛いが、こんな反応を続けてたら変なやつがターゲットにしそうだ。モゴモゴする喋り方をまずどうにかするか。これからどうやって克服をするのか考えてると電車が来たので乗った。







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