第29話

俺は家に入ると、靴を揃えて中に上がり、奥の部屋に向かった。


「お兄ちゃんお帰り」


梨香がおぼんからカレーを取ってテーブル上に置いた。今日はカレーか。イタリアンを食べていて、味の濃いものを食べたかったからちょうどよかったわ。


うちの家のカレーは辛口だ。俺と梨香が辛いのが好きだから自然に辛口になった。だが甘いものも好きだ。マッカンとか体に染み渡る暴力的な甘さで飲んでしまうぐらいだ。依存と言っても過言じゃないだろう。梨香にはあんま飲まないのと言われているが、マッカンを止めるとかお酒の依存してる人に止めろというようなものだ。そんくらい好きってことだ。


「いただきます」


俺はカレーを口に運ぶ。ほどよい辛さが口の中にじわーと広がる。最高だ。やっぱ辛いのは美味しい。特にこの噛んだ瞬間に広がる辛さとか。 


「我ながら美味しくできたね」


梨香の料理はどれも個人店の飲食店に負けないほど美味しい。梨香の料理は世界一だ。後は美味しいといった後の嬉しそうな笑顔もセットにすると、女神の料理になる。シスコンすぎじゃないかって?梨香みたいな美少女で気立てがよく、話さなくてもなんとなく機嫌をわかってくれる妹なんだからシスコンにってなだても仕方ないだろう。


「ああ、美味しいぞ」




「ねぇーお兄ちゃんまだ諦めていないの?長濱先輩また森田先輩のこと好きっぽいけど」


確かにまだ好きだろう。だが少しづつだが俺のことも好きになっているはずだ。イベントをこなしてきたからな。まだチャンスはある。


「俺は長濱さんが振りむくまで諦めるつもりはない」


「そっかー。もしお兄ちゃんを好きな人がいるとしても?」


え?俺のこと好きな人がいるの?まぁでも俺は長濱さんを諦めるつもりないから断るだろう。


「断るぞ、それだけ長濱さんに本気ってことだ」


「華可ちゃんは脈なしかー」


何かを小声で梨香は言った。小声で言ったてことは大したことじゃないのだろう。さて食べ終わったし食器洗って勉強でもするか。俺は食器を食洗機に持っていき、洗った。すると梨香も食べ終わったらしく俺のところに持ってきたので、それを洗って階段で上に上がった。


さて勉強するか、明日は数学のテストだ。今日教わったところを復習する。


やっぱ分からない問題もいくつか出てくるな。まぁ時間がないし、分からない問題は飛ばそう。数学で新しいものを作った人は天才だと思う。俺なんか高校の数学でもう無理なのに本当にすごい。俺も日本史だったら学年で一番なんたが。ちなみに日本史は大体本を読んで学んでいるからテスト勉強はしてない。


それからに時間勉強をして数学はここまででいいかと一息着くことにした。湯銭のなかをためてお風呂に入った後フランス語を勉強するか。

俺はあくびをしながら風呂の掃除をして、お湯をためはじめた。 


「梨香風呂ためたが先にはいるか」


俺は自分の部屋にいる梨香に向かって叫んだ。数十秒経ったが、答えがかえってこない。恐らくイアホンをつけて勉強してるのだろう。なら直接部屋にいくか。俺は階段を上がり部屋をノックして入った。やはりイアホンをつけてものすごい集中力をしながら勉強していた。


俺は梨香のかたを軽くポンポンと叩く。すると俺の方を向いて、梨香がイアホンを外しどうしたのっていう顔で俺をみた。


「お風呂沸いている途中なんだが、先にはいるか?」


「うーんまだ勉強は一区切りしてないし後でいいよ」


「分かったじゃ俺が先に入る」


そういうと梨香は再びイアホンをつけて勉強しはじめた。さて先にはいれるが、梨香も勉強が終わったらすぐには入るだろうしあまり長居はできないな。


俺は梨香の部屋を出ると、自分の部屋に入り、単語帳を軽く勉強することにした。俺のフランス語の弱点は単語力だからだ。俺はあまり意味がない暗記は苦手であるからだ。だから単語帳もあまり長時間はできない。こういった短い時間でやっている。短い方が集中できるっていうのもある。


二十分ぐらい単語帳を音声を聴きながらやっているとお風呂が沸いた音がした。俺はパジャマを用意して階段を降りた。


俺は脱いで風呂に入ると、素早く洗い湯銭に入った。そういえば神様は社会心理学を勉強した方がいいって言っていたな。テストが終わったら買いにいくか。ついでに恋愛心理学みたいのもあったら買いにいこう。後は長濱さんを守れるくらい強くなりたい。武道を学ぶか。


長濱さんはやくざに目をつけられてる。もしかしたら襲われる可能性もわすかながらあるだろう。そうなったときに俺が隣にいて、武術を使えればある程度の相手だったら守れる。まぁそもそも一緒にいるかどうかなぞだが。


おっと考えながらお風呂に入っていた20分以上入っていたわ。とりあえずお風呂を出よう。俺はお風呂から出ると用意してあるパジャマに着替えて自分の部屋に入った。


数学はやらなくていいか。もう充分勉強したし。後は明日やる漢文を軽く勉強するか。漢文も漢字が多くあまり得意ではないからだ。漢文なんて大学で古代史やってるやつしか使わないだろ。むしろ数学よりも使わない。これも選択科目にするべきた。


と言っても現実はテストがあるから勉強しないといけないが。俺は外国語を勉強するように漢文を勉強した。


一時間ぐらい勉強をしたので俺は日課となっている二次小説を読む。やっぱり俺の青春ラブコメは間違っているの二次小説は面白い。原作にいないクロスオーバーのヒロインたちの絡みは特に面白い。文章も心理模写が秀逸で原作とも謙遜ない文章力の人もいる。


面白すぎて黙々と読みすぎたな。気づいたら12時だし寝ないとな。明日学校だから。


俺は電気を消して携帯のアラームを設定して寝た。




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