第28話
さてどうやってとるかだな。転がしてとるのは無理だし、うまく間に入れてとるか。俺はアームを動かし、まずは真ん中からつかみ様子を見た。すると少し持ち上がったが、すぐに落ちた。
普通にとろうと思っても無理ということか。長濱さんは期待をした目でぬいぐるみを見ている。期待されたらとるしかないよな。
あそこ輪っかが見えるからあの中に入れて捕るか。俺は輪っかに合わせてアームを入れて持ち上がり出口にそのまま持っていき入った。ふぅー取れたな今回はあまりお金を使わずにすんだ。
すると長濱さんがぬいぐるみを取り、愛おしそうに抱いていた。くそ、ぬいぐるみめ長濱さんの温もりを感じれるなんて羨ましいぞ。心のなしかぬいぐるみは鼻の下を伸ばしているような気がした。あのぬいぐるみは雄だな間違いない。
「尾関くんありがと、部屋に飾るね。それにしても心なしかこのぬいぐるみ尾関くんに似ているよね」
俺そんなに可愛い顔をしているか。いやたんに目が似ているだけかもしれないが。俺はぬいぐるみをじっと見る。決して長濱さんの胸をガン見した訳じゃないよ。意外とでかいんだなとか思ってないよ。よーく見るとなんとなく俺に目と雰囲気が似ている気がする。
「確かに少し似ているな」
このぬいぐるみが寵愛を受けたら俺も愛される可能性があるんじゃないだろうか。名前を俺の名前をつけてくれないかな。そうすれば長濱さんがいづれ俺の下の名前を呼んでくれるだろう。
「だよねー大切にするね」
なんだか俺を大切にしてくれるようにも聞こえてきた。ぬいぐるみよ長濱さんに大切にしてもらえるんだから汚れないでいろよ。まぁ長濱さんの部屋は綺麗だろうから汚れることはないだろうが。
「さて次どうする?」
「私ゲーセンに来たらやってみたいことがあるんだー」
なんだ音ゲーか?それともカーレースか。まぁどれにをやっても俺は大体やったことがあるからアドバイスぐらいならできる。
それから俺達はゲーセンの中を回ったが、長濱さんのやりたいものはないらしく、前行ったゲーセンに行くことにした。どうやらそこにはあるらしいからだ。
俺達はゲーセンを出て少し先にあるもうひとつのゲーセンに入った。すると長濱さんは俺に二人でプレイするやつってどこにあるって聞いてきたのて二階だと答えた。すると長濱さんは二階に上がったので俺もついていった。
するとエアホッケーのところで止まった。エアホッケーか、長濱さんこれやらたかったのか。俺も梨香はゲーセンには行かないから必然的にこれはやったことがない。じゃー友達とはあるんじゃないかって?初友達が最近てきたばっかしだからないわ。別に悲しくなんかないからね!男のツンデレはやめよう。
「これやりたかったんだー。この前ゲーセン行った後にYouTubeを見てやりたい思ったの」
「これは俺もやったことないな。遊びに行く友達なんていないし」
自分で言っていて悲しくなってきたわ。自虐ネタで言ったのにショックを受けるとか、だめじゃん
「今は私がいるからぼっちじゃないでしょ」
長濱さんは優しく微笑んで言ってきた。女神だ。これが神格を感じるってやつか。そうだ俺はもうぼっちじゃない。長濱さんという誰もが羨む友達がいるのだから。もっと踏み込んだ関係ーそう付き合う関係になりたいけどり
「じゃーやろうぜエアホッケー。たとえ長濱さんでもゲームは妥協したりしないからな」
「望むところだよ。本気でやってくれた方が楽しいし」
なら俺のゲームで培ってきた勝負強さをみせてやろう。コンピュター相手だと俺はどのゲームも無敵だ。まぁ対戦なんて他のゲーセンでやっているやつしか戦ったことないけど。
このゲームは相手を動かした方が勝てる。なんなら目線を左右に散らせた方か集中力が散漫にり優位に運べる。
俺は100円を入れてゲームをスタートした。
まずは俺のターンだな。角にぶつけて撹乱するか。俺は思いっきり角にぶつけて進ました。だが長濱さんは冷静見極めて同じやり方で返してきた。
今度は速いのを打つか。右角を狙って角を使いながら打った。すると長濱さんはよそうとちごったところにいったのか、穴に吸い込まれていった。
これで一点だ。次は長濱さんのターンだ。長濱さんは角を使わず一直線に速いのを打ってきた。なんとかギリギリ間に合って返したが、今度は逆方向に打たれて、穴に吸い込まれて点を取られた。
そこからは一進一退の攻防で点を取ったと思ったら取られたりして、進んでいった。
するとボーナスタイムが始まった。たくさんの球が出てきて俺はひたすらにそれを前に飛ばした。これはあるだけ前に飛ばせば点を取れる。
すると点はどんどん入っていきボーナスタイムが終わる頃には俺の点数が二点上回っていた。
このままゲームを決める。俺のところにパックがきて、俺は真剣に長濱さんの苦手なところを考える。右隅は少し打ちづらそうにしていたな。てことはそこに打ってそのあと左角に決めれば一点取れる。俺は右角を壁を使いながら打った。すると予想通り少し打ちづらそうに真ん中に返してきた。
フッこれて終わりだ!俺は左隅に打った。だが長濱さんは予測していたのか素早く動き、返してきた。そこからは高いの苦手なところをつきながら返していったが、決着はつかない。
だか長濱さんは口角を開けた後思いっきりガンガンと左右の角にぶつけながら打ってきた。ヤバめ線が左右あちらこちらにいく。俺はなんとか返したが、集中力が切れ始めていたので真ん中に返してしまった。すると長濱さんは左角に打ってきて点を取られた。しかしゲームはここで終わって俺の勝ちになった。
「ふぅー楽しかったね。久しぶりこんなに動いたよ」
「そうだな、俺も久々にこんなに集中したわ」
まじで疲れた。集中するのってこんなに疲労がたまるんだな。勉強に集中してないかって?
俺は勉強は集中しないでやっているんだよ。そっちの方が長時間勉強できるから。
「またやろうね。次は勝つよ」
よっしゃー長濱さんから一緒に遊ぶ約束をしてもらった。だか次は東京に出たいな。服とか長濱さんに選んでもらいたいし。さすがにおしゃれな人のとなりて無難な服装ていうのは目立つからだ。後は彼氏だと思われなくって変なやつが絡んでくる可能性があるからだ。
「次も負けないぞ」
「じゃーそろそろ帰ろうか。勉強しないとだし」
長濱さんと離れたくないな。だが俺も数学の復習をしないとだし。帰らなきゃいいけない。あー数学やりたくない。教えてもらう前よりかは辛くなく気持ち的に楽だが。
俺達はゲーセンを出てイトーヨーカ堂を右に曲がり長濱さんの家に向かった。話ながら向かっているとすぐについた。相変わらずでかい家だ。俺もこんな武家屋敷のような家に将来に住みたい。
「尾関くんまたね」
「ああまた明日。テスト頑張ろうな」
俺は長濱さんが見えなくなるまで手を振った。それにしてもあの門重そうだよな。あんだけでかいと、掃除とか大変そう。でもあれだけお金持っていればお手伝いさんとか雇っているか。
さて俺も帰るか。梨香が夕飯を作って待っているだろうし。俺は満月の月を見ながら踵を返した。あの月を君にあげよう長濱さん。そんなことをいつか言ってみたいな。きっと意味は通じるだろう。俺はそんことを思いながら駅に向かった。
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