第33話申し訳ありません

「・・・。何故そこまで君がするのかは、あとで聞こう」

出発した馬車の中で、バディ様が、少し怒ったように言った。

そこで思い出した。

そういえば、種はノアのものだけど、何で こうなったかの元々を聞かれていない事に今さら気づいた。

聞かれなかったし、説明もしていない。

「俺は怒っているんだ!なぜ勝手に動いた!!」

「・・・その・・・忙しそうでしたから・・・。何故・・・丁度・・・」

目の前に座るバディ様は、凄い形相で私をみてる。

「パジェロがクーペに相談に来たんだ。手紙を貰ったが、君の事だ話しをしないだろう、とな!!」


さすがパジェロだ。私の性格をよく理解している。


「昨日何か用事がありますか?と、質問してきたから、相談するものだ思っていたら、なんだ!!つまらない事を聞いて来て終わりだ!!だから、こちらも嘘をついて視察に行くと言ったんだ!!」

「・・・そう・・・ですか・・・」

全部お見通しなんですね。

「時間も場所も分かってたのだから、見張ってれば、君がやっ来た!!殺されていたんだぞ!!俺が来なければ!!」

「・・・そう・・・ですね・・・」

そんなこと始めから分かっている。

そのつもりで動いた。

「事が事なだけに早急に動く案件ではないんだ!!時間をかけ、足固めをし、いや、君が出ることではないんだ!!」

結局は、そこを言いたかったんだろう。

怒鳴りる声が体に突き刺さる。

顔を真っ赤にさせ言うバディ様は、私を知っているなかで、1級貴族だ。

本当なら、覚えている方が、私の玉の輿計画には有利に動くだろう。

もしくは、知らなくても、知っていました、とあの時言える、要領が私にあればもっと楽に生きていける。

でも、私には無理だ。


私は私だ!


「誰が決めるんですか?」

「・・・は・・・?」

そんな言葉をかけられとは思っていなかっだろう。

私はそんな物分りのいい令嬢じゃない。


私は、

やられたらやり返す!!


「私はバディ様の持ち物でも、大人しく聞き分けのいい令嬢じゃない。私は、私の意思で動きます!!」


見返すバディ様は驚き、顔をひきつらせながらも、何度か呼吸をし、睨み返してきた。

「よくわかった。君が全く反省もないのがな!言い方を変えよう」

本気で怒っているのがわかった。

「オデッセイ・オーリュウン。私の許可なく勝手に行動することを禁ずる!破れば、全てオーリュウン家に咎は与えるものとする!!」

「・・・っ!」

放たれた言葉の真意はわかっている。


私を・・・心配していると・・・。

分かっている。・・・分かっているが・・・。


きゅっと、唇を締め、俯いた。

はあ、と仕方なさそうにため息がをついた。

「オデッセイ・・・。俺は・・・、心配してここに来たんだ。・・・お願いだから、無茶をしないで欲しい・・・。俺を信じて欲しいと言ったのは、嘘ではない。・・・もう少し、俺を考えてくれないか?」

あまりに弱々しい声に、顔を上げると目が合った。

「オデッセイ・・・。何度でも言う。俺を信じろ」

もう、逆らえることは出来なかった。

「・・・御意・・・。申し訳ありません・・・」

私の言葉にやっとホッとしたようで、大きなため息をつかれた。

「全く!ここまで言わないと君は大人しくならないんだな」

「・・・申し訳ありません・・・」


うう・・・。だって・・・、スイッチが入ったら無理なんです・・・。

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