第29話手紙

3時のお茶までは御一緒しました。

その後は、会議があるとの事で、クーペ様と部屋を出るとの事で、やっと解放されました。

もう少し話しをしたかったのだが、すまない、と言われたが、全くもって御心配いりません。

私には話す事もありませんし、御一緒もしたくありません。

それにバディ様はクーペ様と一緒に書類を見ながら仕事をされているので、私は何をする訳でもなく、ぼー、とするしかなくとても暇でした。

やっと開放された、と部屋に戻りソファに寝転んだ。

部屋には、ミラージュとアイが掃除をしてくれていたが、私がソファに寝転ぶとすぐにやってきた。

それも、とても真剣な顔で。

「何・・・?私・・・疲れてるんだけど」

「そ、その・・・これを・・・」

そう言うと、ミラージュが私に封筒を渡してきた。

2人ともとても不安そうな顔だ。

胸騒ぎがし、起き上がり受け取った。

表にも裏にも何も書いていない。

「誰から?」

「・・・ノア様からです」

体が緊張した。

姑息な手だけど、感心した。

後の宮殿では下手なことは出来ないが、表なら、相手の召使いが分かれば文の渡し合いが出来る。以外に皆しているのかもしれない。

「・・・とても・・・怖い顔をしていました・・・」アイ。

「・・・必ず今日渡してくれ、と・・・」ミラージュ。

「バディ様の事は喋ってない?」

2人が思いっきり首を振った。

「この手紙を渡して、すぐ帰られました。お嬢様!!だから、やめましょうと言ったではありませんか!!嫌な予感しかしません!!!」

「もう、遅いわ。少し黙ってて読むから」

私の言葉に2人は、青い顔をしながら離れていった。

封筒を破り、手紙を読んだ。


 


「明日は、何かご用事がありますか?」

次の日、花の水をかえを終わった後バディ様に聞いた。

「ああ。明日は隣の街に視察に行く事になっている。来月の式典の最終確認で。何かあるのか?」

「そういば、バディ様が公務でおられない時はどうしたらいいのかと、思いまして質問したのです」

「確かにな。俺がいない時は、班の者と行動せねばならないだろうからな。クーペ、俺の予定をオデッセイに渡しといてくれ」

「かしこまりました。しかし、私以外に、俺、と言われるとは。ようございます」

クーペ様が楽しそうに言ったのに、そういえば、とおもった。

バディ様はいつもは、私、と言っている。

「いいだろうが・・・別に・・・」

口ごもりながら、下を向いた。

私にしたら、何がようございますのか、分からなかったし、私だろうと、俺だろうとどっちでもいい。


とりあえずこの花係をはやく辞めたいよ。

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