第21話バディ目線
「どう言う了見でございますか!?私がわざわざ、自然を装いオデッセイ様と、引き合わせようと妙案を致しましたのに、当の本人が不在とは如何なものでしょうか!?」
「あ、いや・・・、父上に急に呼ばれてしまって・・・」
執務室に帰ってきたら、扉の前で仁王立ちでクーペが待っていた。
「そんなもの後からでも問題なかったのではありませんか!?早急にすべに案件でしたか!?」
「いや・・・たいした・・・事では・・・」
「全く、公務に真面目なのは結構でございますが、御自分では対して動けもしないのですから大人しく私に従ってください!!それとも、御自分でオデッセイ様に直接、側付きに、と所望されますか?」
「そんな事言えるなら・・・」
苦労はしない。
「そうでしょうね。積極的に言える方ならこんな面倒な事になっておりません。わざわざ宮殿にあがらせる事無く求婚されておりますね。宜しいですか、道中の事件の事もありオデッセイ様の評判は貴族の男性の中ではうなぎ上りです。宮殿に選別されただけでなく、豪気な女性だと。ライバルを増やしてどうされます!」
「そんな事になってるの?」
苛立ち気味にクーペは、まくしたてた。
確かに言うように、オデッセイの道中の事は内密にしているが、いかんせん漏れるものだ。興味を引く内容なのもわかる。
「公務にばかりかまけておられるから、俗世間の事に疎いのでございます。ぼやぼやしておられると他の方のお手付きになるやもしれませんね」
「・・・そんなにか・・・?」
俺を、不安がらせ面白しそうにしているは分かっていたが、確かにクーペの言う通り、オデッセイの名はよく聞くようになった。
「まあ、あの方は堅物のようでしたので、そうそうにどなたかに収まるとは思えません。実際誰もが羨む執務室の花係を躊躇なく断ってこられました」
「本当か!?」
「自分には荷が重いと。ああ、御心配御無用。上手くかわし、明日から2時に花替えに参ります」
得意そうにほっほほと笑った。
「・・・流石だな。では、明日からお茶を出来るということだな」
花替えだけでなく、俺と過ごす時間を考えて動くとは、抜かりないな。
「ただでは起きません。さて、バディ様その模写を隠しておかねば、幸先が悪うございますよ」
「・・・確かに・・・。では、引き出しにでも入れて置こう」
「宜しいかと。仕事の合間の、心の癒しは大切でございます」
「本題と行こうか」
やっとクーペから逃げれる。
はあとため息をつき、椅子に座った。
「やっとバディ様の本領発揮の場でございますね」
どう言う意味だ。
「少し気になる事がある」
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