第15話解散!!
「最低です!!」アイ。
うん。私もそう思う。
「そんな事を考えるんですね、上の貴族の方は!!」ミラージュ。
うん。私もそう思う。
「嬢様、そんな男に捨てられて良かったですね!!」パジェロ。
うん・・・?捨てられた・・・とは、もう少し違う言い方して欲しい。
3人が私の部屋にやってきて、すぐに部屋の中に入れた。パジェロは本来なら入れないんだけど、寂しいから話がしたいんです!と召使いや騎士団に強く言ったら、しぶしぶ入れてくれた。だから、外の見張りは騎士団の方にしてもらってる。
ソファに皆で座り、お茶を飲みながらさっきの話したら、皆が怒り出した。
ありがとう。
「爵位なんて運なんですよ!!それをそんな風に使うんなんて!!」
「本当に!!貴族皆さんがそんな酷い方ばかりではないでしょうが、やり方が卑劣ですね」
「けど、その何を拾ったのか気になるな」
パジェロがお茶を飲み、興味深々の顔になった。
「そうなの。私、やり返したいの!そりゃ、やり返したいと言ってどうできるかわかんないけど、怪しげな事をしてるってことは確かだから、どうにかできない?」
「恋文かも!?」
アイが目をキラキラさせながら言った。
「有り得ないな。立場的に堂々と行ける身分だ。相手が既婚者じゃない限りないだろ」
なるほど。
「では、パジェロの見解はなんですか?」
うん、そこ聞きたい!!
「嬢様、何時だった?それを見たのは?」
「時間?昼食が終わってからだから、13時30分頃かな?」
「やっぱりな」
パジェロは考えるように頷いた。
「やっぱりって、なんですか?」
アイが不思議そうに聞いた。
「午前中は来客がまだいる時間なんだ。1階は人が少ないと言っても、人通りは多い。そんな中で動くのは危険だろう。だが来客は昼前には宮殿を出る。そして、そこは13時に掃除が入る。14時にはそこは終わる。だけど聞いた場所は1番に掃除をする。終われば誰も近づかない。ちゃんと人通りも、掃除の時間も考えてそいつも、そいつの仲間も動いている」
「じゃあ、もう少し待ってたら仲間を見れてたかもしれない?」
「かもしれませんね。嬢様、セリカ様にその男の滞在期間を聞いてくれませんか?その話なら、嬢様との婚約解消の手続きできている。ついでに婚約した時の滞在期間も聞けたらいいな。恐らくこの上に泊まってるだろうから、どこかの班が相手をしているでしょう。もしかしたら、セリカ様達も相手したかもしれない。その辺を聞いて貰えますか?」
「分かった」
流石だ。よくスラスラ出でくる。
「あと、明日も同じ時間に行ってみることは出来ますか?」
「それは大丈夫かな。明日から、午前中は勉強でお昼からはとくに何もなかったから、中庭をみたいな、とか言ったら行けると思う」
「なかなかいい案ですね。中庭見ながら様子を見てください」
「でも、今日取ってたんだよ。明日も取るとは限らないんじゃない?」
「恐らくですが、何かを置いていた、という事は連絡を取り合っている。滞在期間が限られている中、無駄なく動こうと思ったら、動きはあるはずです。嬢様の話から仲間も少ないですね。それなら尚更自分で動くでしょうから、こっちも、その男の事の情報を探ります」
「なんで仲間も少ないってわかるの?」
「簡単ですよ。わざわざ一緒にいた友達を離した。それだけ誰にも知られたくない秘密を持ってる。とりあえず嬢様、無理はしないで下さい」
「へえ。面白くなってきたわね」
皆の顔が強ばった。
「・・・お嬢様・・・。スイッチ入りましたね・・・」
「ふん。大人しくさせてくれなかったのは向こうよ。やられたらやり返すだけの事よ。さっきも言ったけどとこまでやれるかはわからない。でも、私は今宮殿の召使いに上がった。前よりは立ち向かえるわ」
「・・・奥様にますます似てきましたね・・・。そのキツイ言い方、その、気の強そ良そうなお顔・・・」
ああ、とミラージュが呻いた。
「嬢様!どこまでもついて行きます!!」
「よし!パジェロ頼りにしてるわよ!!」
「私は程々にします!!」
「よし!!アイはそれでいいよ!!」
「・・・はあ・・・。では、私も程々に、調べるのを手伝います・・・」
「よし!ミラージュもそれでいいよ!では、解散!!」
おお!!とミラージュ以外は手を挙げてくれた。
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