第11話聞きたかったなあ

迎えに来てくれた3人と一緒に食堂に行った。ミラージュ達も昼食を取るとのこと

で、前の宮殿に戻り、その後は少し掃除があるとの事で、終わり次第私の所に来るとの事だった。

食堂も広くて、豪華だった。

テーブルは、7つ。椅子が4脚しかないということは、それぞれの班で、食事をするようだ。既に2つの班が座って食事をしていた。

献立は3種類の中から選べ、座ると直ぐに召使いが絵付きのメニューを持ってきた。体調によって他のものが食べたい場合は、他のを用意してくれる。


お肉コース、お魚コース、両方コース。


昨日の昼食や夕食で分かったが、差程量はない。足りなければおやつを食べればいいよ、と3人に言われた。

でも、ちゃんと体重管理もされています。

ちなみに魚コースにしました。

「どうだった?誰が誰だか分かった?」

ナプキンを膝に引きながらセリカが聞いてきた。

「だいたい・・・ですね。セリカさ、いえ、セリカが教えてくれた容姿がわかり易かったので、多分大丈夫です」

様はいらない、と昨日しつこく3人に言われ、夕食後練習までさせられたが、そんな簡単に呼び捨てなんて出来ない。

「まだ、言い方硬いなあ。もっと気兼ねなく喋って欲しいな」

「そうですわ。同じ班ですのでに」

「で、どの王子が良かったのぉ?」

「いや・・・見てる余裕なかったです。それに、そんな高望みをしている訳では無いので・・・」

「最初は、私もそうでしたわ。でも、ここにいると高望みでは無いのです。最も近くにいるんですのよ」

「私は公妾でいいんだけどね。お気楽にいきたいから」

「そう言いながら、下の貴族は嫌なんでしょうお?」

「当然」

即答に私にはきつい一言だな。でも、これが現実なんだな、と思った。

「この班には前に出たがりがいないから気楽だけど、自分がでしゃばりたい人は、余計にギスギスしてるもんね。同じ班なのに、蹴落とす、的な?」

隣に聞こえるような声ではないが、隣の席をみる。

「そうでしょうね。プライドが高ければ高いほど、正妻で、かつ身分も高く、チヤホヤされたい。それが1番満足するのは王子の妻」

隣の席は綺麗で、胸が大きい人ばかりだった。


ん??


もう1つの席を見ると、そこは皆が、えーと、少し、いや、もう少しかな、ふくよかな人達が座っていた。

「あの、班て、体型とかで決まってるんですか?」

「気づいた?私達は、美少女でスマートな集まり。あと4つのうち2つのは隣みたいに、スタイル重視。もう1つは、あそこにいるぽっちゃり。もう1つは、ガリガリ。男の人の好みって色々だから、女性もそれに合わせて集めているの」

「なるほど」


納得です。


「美少女でスマート、と言うのはいい説明ですわね」

「うん。本当にぃ」

「無駄に胸が大きくても邪魔なだけよ。それに、そこ目当ての男ってどうなの?と思うね」


確かに。


「そうは言っても、殿方はお好きですものね」


確かに。


「何言ってるのよ、性格1番よ」


確かに。


「さっきからぁ、オデッセイ頷いてばっかりだよ。もっと喋ってよ」


・・・確かに・・・。


「すみません、まだ、ついていけなくて・・・」

「まあそうだね。オデッセイは勉強もあるしね。午後からはゆっくりしていいよ。私たちは夕方くる来賓の相手があるから、夕食は、一緒に食べれないけど」

「え?私は行かなくてもいいのですか?」

「ええ。今日はゆっくりさせて上げてとグロリア様から言われたの。明日のお昼までしかその方達はおられないから、オデッセイは、残念ながらお相手は出来はないわね」

「・・・そうですね。午前中は勉強なので・・・。別にしなくてもいいんですけど・・・。あまり頭良くない方なので・・・」

「あらぁ、でも、礼儀作法とかもあるみたいだから、私にしたらぁ、羨ましいわ。宮殿で学べるなんて、ねぇ」

「そうだよ。格が違うよ、格が」

得意そうに言うセリカがなんだがおかしくて笑ってしまった。

「そう言われると、勉強が楽しく思えます」

答えるとちょうど食事が来て、美味しく頂きました。

食事が終わり、皆は来賓の方が通される、3月の間に移動するねと言って、行ってしまった。

昼食を食べながら話を聞くと、ウシナ伯爵という御年配の夫婦の方で、自分の領地で行われるまつりごとの補助金申請とまつりごとの手続きの為に来られるとのこと。ご夫婦でいつも来られて、夫人の話が凄く面白いと皆が言ってた。


ちえっ。

私も聞きたかったなあ。


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