敵に適度な勝利を………ね?
2日目も夕方に差し掛かり、撤退のドラが鳴り響いた。
「結局、騎兵隊の出番は訪れなかったな?」
「それは仕方がない。二度目は警戒される。無駄に突撃して、貴重な騎兵隊を減らす訳にはいかないですからな。慎重に、騎兵隊の効果を最大限に発揮できる時に号令をださねばなるまいて」
損害だけで言えば、2日目も連合軍の方が大きかったのだが、こちらの戦術が決まれば、魔王軍とて崩せるという実績が、自信を付けさせていた。
「明日はどう動きますか?」
「今日と同じ陣形でいく。しかし、魔王軍が何かしらの対策をしてきた場合は臨機応変に対応していく!」
1日目の被害より2日目の方が戦闘は上手くいっていた。失敗した1日目の陣形より2日目の作戦を採用した方が良いだろうと話はまとまった。
「ねぇ?騎兵隊の突撃に何の対策を取らなかったのは何故なの?」
エルフのエルメスがレオに尋ねた。
「シトリンさんの指示だよ。連合軍にも良いところを与えて、もしかしたらイケるかも!って、思わせる為だってさ」
「でも、これ以上の兵士の犠牲は看破できないわよ?」
誰でも仲間の犠牲は嫌な者である。
「大丈夫よ。正面からの斬り合いはしばらく続くけど、騎兵隊の対策は明日はしてあるから、騎兵隊への犠牲者はださせないから心配しないで」
シオンはエルメスの不安を払拭するように話した。
「…………なるほど、それなら安心ですね。でも後、何日我慢しないといけないのかしら」
早く戦争を終わらせたいと思っているのはエルメスだけではない。他の仲間達も、さっさと蹴りを着けたかったが、顔には出さないようにしていた。
「まぁ、戦争が終わったら、一週間は宴を開きましょう!」
「ああ、それはいいな!盛大に騒ごうぜ!」
シオン達はさっさと戦争を終わらせて、楽しい宴会を開こうと仲間達と一緒に兵士達に広めるのだった。
そして3日目─
騎兵隊がまた側面を狙って突撃を敢行した。
「よし!魔王軍を蹴散らすぞ!!!」
ドドドドドドドッ!!!!
騎兵隊が魔王軍へ突撃する瞬間に、異変が起こった。
ゴゴゴゴッ……………
「な、なんだ!?」
魔王軍の側面の地面から岩の魔物、ゴーレムが出現した。
「う、うわぁぁぁぁああああああ!!!!!」
硬い岩の塊に突っ込んだ騎兵隊は後続も次々とぶつかり、500騎いた騎兵隊は一気に100騎も失うことになった。兵士は無事でも、馬が傷付き走れなくなったからだ。
こうして連合軍は騎兵隊の使い道を検討することとなった。
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