戦いは続く

開戦から2日目──


「連合軍は対策をしてきたわね」

「ええ、部隊に隙間を作り距離を開けてきました。後方を長弓でやらせない為でしょう」

「それだけじゃないわ。前線も大盾部隊から長槍部隊に代わってるわ」


遠くの高台から敵の配置を確認していたシオンがレオに尋ねた。


「それで、今日はどう動くと思う?」

「そうだな。密集陣形を止めて部隊を分けている。昨日の様にいかないだろうな。自由に援軍に行ける部隊が多い!」


そう、昨日と違い敵の部隊が縦横無尽に移動できるのがヤバいのだ。


「対応はどうすればいいかしら?」


ここは自分より戦闘に詳しい者に聞くのが1番である。レオは父親のレオン将軍から、兵法も学んでいる。いつもはお馬鹿であるが、こと戦闘に対してはエキスパートなのだ。


「兵力はまだ約5倍の差があるし、無理せず向かってくる敵を迎え撃つのがいいだろう」


えー!それじゃつまらないよ!?


「………序盤はな?」


レオはシオンの気持ちをわかったように言った。


「何か考えがあるのね?それじゃ、やってみましょう!何かあれば私がフォローするわ」


こうして開戦2日目が始まろうとしていた。


わぁーーーーーー!!!!!!!


開戦2日目は初日と違い、魔王軍側が防戦一方であった。それもそのはずで、魔王軍は前にでず、向かってくる兵士のみと戦っていたからである。


「妙ですな?どうして魔王軍は攻めてこないのでしょうか?」

「確かにのぅ?何を企んでおるのか………」


前線の兵士はともかく、幕僚の指揮官達は昨日の魔王軍の強さを知っているので、罠がないか警戒していた。


「罠ならそれごと粉砕せよ!今が好機である!人間の力を見せ付けてやれ!」


将軍の指示で、帝国騎士団が得意とする戦術を展開した。


ヒヒィーーーーン!!!!!


騎兵隊である。

数は500と少ないが、一点突破の破壊力は如何にミスリルの装備で身を包んだ兵士でも止めるのは困難であった。


「魔王軍の右側面を突くぞ!」


騎兵隊の隊長は本陣の指示を待ち、号令と共に駆け出した!


!?


「急報!連合軍から騎兵隊が飛び出しました!ご指示を!」


レオは右側の兵士で対応させるよう簡易の指示を出すに留めた。

騎兵隊は、勢いに乗って右側面から突っ込んだ。流石に、奥深くまでは突っ切れなかったが、途中で反転して魔王軍の陣形を崩すのに一役買ったのであった。


たいした犠牲も出ずに本陣に戻った騎兵隊は、少し休んだ後、再度突撃を敢行するのだった。


「よし!流石に二度目だと警戒されるだろう。状況をみて、スキの生まれた所に突撃する!」


連合軍の士気が高まり全体的に押していた。



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