プチ船旅!

シオン達は数日後、港に来ていた。


「お待ちしておりました」


そこには人魚のセレスさんが待っていた。


「あれ?セレスさんが船頭さんなの?」

「はい、そうですわ。今回はシオン様の道案内をさせて頂きます」


久しぶりにあったけど、喋り方が丁寧になってる?


「セレスさん、別に今までの喋り方で大丈夫だよ?」

「いいえ!シオン次期魔王様は魔大陸を救ってくれた大恩人です!そのような方に失礼はできませんわ!」


セレスさんは力説した。

そんなに大したことしてないんだけどなぁ~?


シオンはそんな雰囲気では無いことを感じて頷いた。


「それではここから1番近い人間達の国へ案内致します。いつもは中型の船を使いますが、帰りは転移門という神話の魔法で帰還できると伺っておりますので、今回は片道のスピード重視の小型船を用意しました」


「ありがとう!」


「人間の住む大陸から魔大陸までは通常の船で3日ほど掛かります。でも我々の『移動方法』では1日で着きます。時間を逆算して、向こうには日没ぐらいに着くようします。作戦実行は日が落ちた闇夜に紛れて、洗脳教育を受けている獣人の子供達を救います。何か質問はございますか?」


シオンは疑問に思った事を質問をした。


「移動方法ってなにかな?」


ただ船を進ませるんじゃないの?


「はい、我々は人間の大陸に近付く時は、索敵を逃れるために、船を『海中移動』します」

「えっ!?船で海の中を!?」


何それ!ワン○ースみたいで面白そう!!!!

シオンはテンションが上がった。


「後は、獣人の子供達が捕まっている施設はわかっているの?」


「はい、すでに場所は調べてあります。子供だけではなく、その……母親も一緒にいるとの事です」

「?わかったわ。親子で助けてくるね!」


シオンは気が付かなかった。セレスが母親という言葉を言った時に顔を歪めたことを………


こうしてシオン達は小型船に乗り込み沖合いにでると、水の膜が船を覆い海中へ沈んでいった。


「凄い!空気があるね!」

「本当なの!?しかも速いの!」


船は海の中を進んでいく。


「この船は、我々が海流を操り通常よりも速い速度で移動が可能ですわ♪」



シオン達は綺麗な海の景色を楽しみながら船旅を堪能したのだった。


そして、大陸に近付くと簡単な作戦会議が始まった。


「それにしても、少し過保護じゃない?」


シオンは目の前の人物をみて言った。


「今回は初めての魔大陸外での活動だ。保護者は必要だろう?」


そこには大悪魔マモンがいた。




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