血塗れじゃい!

シトリンが魔王城にきて1ヶ月ほど経った。


『クェェェェエエエエエ!!!!!!!』


目の前でシトリンが暴れていた。

いや、暴れていると言うか戦っていた。


「………うん、これはみんな怖がるわ」


現在は、来るべき戦いに備えて修行中である。シトリンの実力を見る為に、魔物と戦わせてみたが、戦い方が怖かった。


地面を強靭な2つの脚で高速で走り周り、マッハで嘴(くちばし)を連打で対象を攻撃すると、血が全身を濡らして真っ赤に染まっていた。


しかも驚く事に空を飛ぶ時に、某マンガの戦闘民族が高速移動する時の様に、全身を黄金の光りを纏わせて空を飛んだ。


?!


「何それ!カッコいい!!!どこのスーパーなヒヨコなの!?」


マンガやアニメ好きのシオンは大喜びであった。


「主殿、これは魔力を全身に発生させて周囲にバリアを張っているのです。これで高速移動中に狙撃されてもある程度防ぐことができます」


「なるほど~それって私が乗っていても大丈夫?」

「はい、背中に乗せているぐらいなら、同じ効果があるでしょう。過信は禁物ですが」


やっぱりシトリンって最強じゃないかな?かな?


どんなに強くても巨大なヒヨコの背に乗って戦う姿を想像すると恥ずかしくなるシオンであった。


「おーい!シオン、マモン様が相談があるってさ~」


ちょうどレオがやってきた。


「マモンおじさんが?なんだろう?シトリンも全身の血を落としてから付いてきてね」


そういうと、シトリンは猫が水を弾くように全身を震わせた。


ぶるぶるっ!!!!


ピッカーーーー!!!!!


あらやだ♪わずか数秒でシトリンの全身に付いた血が落ちていた。


「私の体毛は水を弾くのです!」


どやぁ~とした顔でシトリンは胸を張ったが、その飛び散った血でシオン達が血塗れになっていました。


「…………うん、凄いけど次やる時は周りに人がいない時にしようか?」


こうしてシオン達はお風呂に入って着替えをしてから大悪魔マモンの所に向かったのだった。



「遅かったな?」

「ごめんなさい。血塗れになったからお風呂に入っていました」


マモンは血塗れになったという単語に反応した。


「そうか、訓練も頑張っているようだな。ならば許そう」


いい感じに勘違いしてくれた。


「さて、シオンに来てもらったのは少し相談があったからだ」


マモンは間を置いて話した。


「魔王にも話を通してあるが、魔王城にはダンジョンがあるのだ」


なんだと!?

こんな家(魔王城)にダンジョンだなんて楽しい所があったなんて!?


「………なにか変な考えをしてないか?まぁいい。そろそろ実戦訓練もかねてダンジョンへ潜ってもらおうと思ってな」


マジかー!?

全然大丈夫だよ♪問題無し!


「はい!了解しました!」


シオンは2つ返事で答えるのだった。

さぁ!楽しいダンジョン攻略へ行ってきます!


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