客人ですよ!

ストックが無くなったので、他の小説と同じく土曜日7:00の週1更新になります。ただまたストックがたまってきたら連続投稿で調整します。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

お城に帰ると大騒ぎでした。


事前連絡があったらしく………


「大変です!シオン様が黄色の悪魔を騎獣として契約してきました!」

「なんだと!?あの凶悪な幻獣を捕まえたのか!?」

「騎獣の宿舎は空いているのか!?離れに入れろ!他の幻獣を守れ!」


黄色の悪魔の悪名は広く知られており、暴れられては大変と言うことで厳戒態勢が取られた。


「すごい騒ぎになっているね」

「シオン、悪いけど黄色の悪魔の悪名は広く知られているのよ」


シトリンは人間の姿で同じグリフォンに牽かれて空飛ぶ馬車の中に一緒に乗っていた。


あれ?私ってなんで南の森に行ったんだっけ?

いやいやいや………


決して空飛ぶヒヨコに乗るのが恥ずかしかった訳じゃないからね!………ごめんなさい。ちょっと恥ずかしいですorz


とはいえ、いきなり乗って帰るのにはハードルが高かったので少しずつ練習してこうと思う。


そしてお城に着いたらこの騒ぎになっていました。


「フレイア様、お帰りなさいませ!お怪我はありませんか!?事前連絡で黄色の悪魔を捕獲されたと伺ったのですが、どこにいるのでしょうか?」


迎えた執事やメイド達が、臨戦態勢で出迎えていた。


「…………はぁ~、第三者の目から見ると酷いわね。私もこのような状態だったなんて」


噂に踊らされて、シトリンに武器を向けた事を恥じるフレイアだった。


「シトリン、ごめんなさいね。これからは貴女の汚名は少しずつ晴らしいくから許してください」

「いや、気にしなくていい。私が暴れていたのは事実だ。ほとんどが降りかかる火の粉を払っていただけではあったが、怒りに任せて襲ったこともあったしな」


出迎えた執事やメイド達は困惑した表情で伺った。


「フレイア様?そちらの『女性』は……?」


出掛ける時は、フレイアとシオン、後は子供達が一緒の馬車で出掛けたはずだった。そこに見知らぬ美しい女性が同席していたのだ。王妃様の客人なのか対応に困る執事達であった。


「こちらは『シトリン』さんです。あなた達が警戒していた黄色の悪魔の『正体』です」


!?


本当はシオンと契約して人型の姿に変身出来るようになったのだが、元からこの姿になれると認識させた方が今後について都合が良かったのだ。


「「えっ………?」」


執事達は固まってしまった。


「これからはシトリンを客人としてお城に滞在させます。それとシオンの護衛も兼ね合いますので部屋の用意をお願いします」


「お、王妃様……本当にこの方が黄色の悪魔なのですか?」


この姿だけでは信じられないのだ。


「ふむ?では本来の姿に戻ればいいかな?」


シトリンはポンッ!と一瞬で5メートルもあるヒヨコの姿に変身した。


「「「うわぁぁぁぁぁ!!!!!!」」」


本来の姿に戻ったとたんに、周囲から悲鳴が上がった。


「どうしてこんなに綺麗で可愛いのに、みんな怖がるのか不思議なんだよね………」


シオンだけはどうしてみんなが怖がるのか理解できないのであった。





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