森の異変!

シオン達は鬱蒼とした森へと足を踏み入れた。

傍目から見ると完全なピクニックな状態でした。


「ふんふん♪」


鼻歌を歌いながら歩いていく。森の中はちょっとした踏み固められた道があり歩き易かった。


「あらあら。ご機嫌ねシオン?」

「うん!だってお母さんと一緒にお出掛けなんて初めてだし♪」


!?


フレイアはシオンの何気ない言葉に雷を打たれた。魔王城の中では一緒に食事をしたり、お茶会を開いたり、魔族風の遊びをしたりと、しっかりと親子の時間を作っていたが、外敵からの襲撃を考慮して一緒に出掛けることはしなかったのだ。


シオンがお忍びで出掛ける前の日には、魔王か王妃が別の地域へ視察へいく情報を流して、敵対する者の目を欺いていたのだ。


フレイアは自分の子供に女神の加護があってもシオンを特別扱いせずに大切に愛情を込めて育てていたと思っていた。


しかし、まだ子供のシオンにはもっと親子でのコミュニケーションが必要だと実感したのであった。


「ごめんなさいねシオン。これからはもっと一緒に出掛けましょうね」

「うんっ!」


そんな親子をリリア達は暖かい目で見守っていた。この子達は空気を読める子供達なのだ。


シオンはみんなの視線に気付き、急に恥ずかしくなった。


「は、はやく行くよー!」

「あっ、待ってよシオン!」


シオンは少し早歩きで進んで行った。

しかし、森は静かで魔物など襲って来なかった。


「平和だねぇ~」

「うん、平和なの!」

「魔物がでないなぁ~」

「…………」


ただ歩いているだけでは退屈なのである。

ちなみに、シオン達には『目に見える』護衛は5人ほどいる。二人が戦闘を歩き、残り3人が後方を歩いていた。王妃と王女?(疑問系)がお忍びでお出掛けなのだ。最低限の護衛は当然である。


シオン達が森の中を歩くと、空からの時は騒がしかった森が、一変して静かであった。そんな時であった。フレイアの影から報告があった。


『フレイア様、少々問題が………』

『どうしたのですか?』

『はい、この先の森の湖で幻獣同士の縄張り争いが行われていまして、弱い魔物や動物は逃げてしまっているようです』


フレイアは影の報告にどうするか悩んだ。


『どの幻獣が争っているのですか?』

『はっ、ワイバーンの群れと黄色の悪魔が争っております。空からの声はワイバーンだったようです』


フレイアは眩暈がした。よりにもよって黄色の悪魔とは………


『貴方達は監視を続けて下さい。シオンには私からいいます』


フレイアの言葉に、影は音もなく消えフレイアはシオンに事情を伝えるのだった。







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