シンデレラ・グレイス





本屋の魔術師こと

カート・ドーヴェルが仲間になった所で

一緒にプランをどうするかの話し合いをすることにした


……………………


「……ということで、

カート叔父さん、どう思う?」


「……」


「……叔父さん?」


「いや、問題無いと思うが……

なんで兄さんもいるんだ!?」


「フッフッフ、カート、驚いた顔をしているね。

何をそんなに驚くことがある

私はドーヴに協力しにここへ来たんだ。

目的は一緒さ。」


「そういうことじゃなく……

騎士団はどうしたんだぁ!?

まさか、一人抜け出して来たのか!?」


「副団長に任せてある。それは問題ない。

それに、驚くのはこちらの方だ。

20年前、例の病気を治した後

すぐさま姿を消してしまったではないか。


この20年間、兄さんは寂しかったよ。」


「……へっ、ほんとかよ。」


「……親父と叔父さん、

二人で昔話でもしてた方が良いんじゃないか?

明日まで、まだまだ時間はある。」


「……そうだな。よし、兄貴

腕っ節が鈍ってないか、一つ腕試しをしよう!!」


「フッフッフ、鈍ったのはどちらか……

ドーヴ、お前も一緒にどうだ?」


「……いや、私は遠慮する。

まだ考えたい気分だからね。」


「そうかい。それでは第七騎士群の演習用の剣

借りていくよ。」




それから数十分経ち、プランを組み終えた時……


「ふぅ……これで一通りプランを立てられた。

後は親父と叔父さんと見返して

改善出来る個所を探すだけ……


よし、親父達を呼んでこよう。」




ナンジャコリャァァァァァ!!!


「……何だ?聞き覚えのある声が……?」


私はテントの布を上げて、声のする方を向いてみると

赤髪で、口の下にホクロがあり、

赤いレディススーツを着たあの人は……


誰だったか……


「!!居た居た、アンタ!!

どういうことよこれは!!??」


「……あぁ!!オーナーか!!」


「あぁ!!って……この前まで

「頭が下がりません」とか言ってたのに

何言ってんの!?まさか、忘れてたの!?」


「まぁまぁ」


「何が「まぁまぁ」よ!?

アタシの建てた第七騎士群ドコ……?ココ……?」


「出張帰りで疲れてるだけですよ。

ほら、私のテントで一度休んでください」


「言ってる場合かぁぁぁぁぁ!!

あぁ……アタシの10億ヘレスが……」


赤髪のオーナーは、

頭を抱えて、その場に倒れてしまった……


スタスタ


「君は……第七騎士群のオーナーさんですか。

その節はどうも。私は騎士団長

ハンネバル・ドーヴェルです。覚えていますか?」


「……ハンネバル……ドー……ヴェル……

!!!??

し、失礼しましたぁぁぁ!!!」


「まぁまぁ、落ち着きなされ。

どうぞどうぞこちらへ」


「へ……?あ、は、はい……」




…………………………


「……ということです。」


「はぁ……騎士団長が言うならそうなんだろうけど

にしても、まさか新種の魔獣がまた現れたなんて……

しかもピンポイントで第七騎士群とか……」


ヒソヒソ


(サハギンが偶然第七騎士群を襲ったって

それで良いのか?)


(これは優しい嘘と言うんだよ。

矛盾さえ起こさなければ、全員が幸せになれる

優れものさ。


彼女も、今回の原因は

ドーヴの魔法の本にあるなんて、知りたく無いだろう。)


「……?何をヒソヒソと……?」


「何でも無いですよ、オーナー。

それで、お話があるのですが……」


「え、ワタシにですか!?

ど、どうぞ何なりと……」


「今回のサハギン、どうにも厄介で

一枚岩ではないのですよ。


裏には謎多き組織が絡んでおり……

完璧に解決する為には、

世界へ出ていかなくてはならなく……

こう言っては何ですが、資金援助を

して頂けると嬉しいのですが……」


「謎多き組織……?

資金援助なら利息付きならいくらでも出しますよ。」


「それはありがたい……」


「それで、お幾ら程ですか?」


「5億程……」


「5億……!?

その組織と、戦争でも始めるのですか……!?」


「……そうですね。

その表現で合っていますよ。

無理にとは言いませんがね」


「……何やら訳ありのようね、ジオル」


コクっ


私は素直に頷いた


「……第七騎士群を立て直してくれるのなら、

ワタシこと、シンデレラ・グレイスの財団の資金力で

全力で力になりましょう!!


それと、世界各国にいくのならば

財団と連携が取れなくてはいけないので、

ワタシもついていきましょう!!」


「オーナー、そこまでしてくれるのですか!?」


「ったり前ですよ!!

騎士団長直々に引き受けることが出来るなら、

勿論利息も……フヒヒ」


「言葉に出ていますよ、オーナーさん」


「!?これは失礼しました……」




こうして、シンデレラ・グレイス財団からの

資金援助もくれるようになった……


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