★NIHONGO小話☆ 「ケ」を「か」と読む理由

「一ヶ月」と、皆さんも書いたことがきっとありますよね?

(もしかすると学生さんや若い方は「一か月」「一カ月」という表記の方が一般的でしょうか。どうなんだろう……(゜.゜))


 この「ケ」が何故「か」と読むのか、不思議ではありませんか?

 きっと、子どものときに教えられたと思うのですが、変だなぁと思って理由を聞いても、「『け』と読むのだから、『け』と読みましょう」と言われた人もいるのではないでしょうか。


「ケ」の表記の元の字は「箇」です。

 現在はほとんど使われていないので「一箇月」という字をみることはないと思いますが、『今昔物語』や『平家物語』には、数を数える助数詞として使われていました。

「三箇年」や「十四箇国」という具合です。

 この読み方について、室町末期のキリシタンが『平家物語』をローマ字で書いたものが残されているそうなのですが、それで音を確認すると「三箇年」は「sanganen(サンネン)」と記され、「十四箇国」は「jǔxicacoucu(ジュウシコク)」と読んだそうです。「ガ」か「カ」と読み方の違いは、音の連続によるものです。

 正月の「さんがにち」も、多くは「三が日」と書くようですが、辞書で調べると「三箇日」と書くことも分かります。


 では、どこでこれが「ケ」に変化したのか。『今昔物語』に話を戻すと、鈴鹿本といわれる鎌倉時代の写本の文字には「三ヶ日」という書き方をされている箇所があります。つまり、鎌倉時代からこのような書き方があったということが推測され、さらにこの書き方を始めたのは僧侶であると言われています。

 理由は、写しものをする際に何度も出てくる菩薩を省略した字で書いていたことがあったから。

 つまり「ケ」は、「箇」→「ケ」という省略の字として使われため、音はそのままに、表記だけが「ケ」となったということなんですね。

 ちなみに明治の文豪には、「ケ」を使う人もいれば「箇」を使う人もいたそうです。


<参考URL>

京都大学貴重資料デジタルアーカイブ

『国宝-今昔物語集(鈴鹿本)』

https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/classification/pickup-nt

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