第10話

 退屈な授業が終わり、昼休みになる。

 ふと、後ろを振り向くと結崎さんが静かに読書していたので、昼ご飯は食べないのか聞くことにする。


「結崎さん、昼ご飯は食べないの?」


「食べる」


「そう、じゃぁ一緒に食べない?」


 結崎さんは頷きで返した。

 俺は内心でガッツポーズをした。実は結崎さんの顔が見たかったのである。見せられないなら俺の誘いを受けないだろうし、別に見せても気にならないほどの理由なのだろう。それはそれで気にはなるが、今は誘いを受けてくれたことに感謝する。

 机をくっつけ昼飯を食べる準備をしていると槙也がよってきた。


「ほう?今日は彼女も一緒なのだな。私は入ってもいいのか?」


「結崎さん次第かな」


 すると彼女は短く答えた。


「別にいい」


「だそうだ。良かったな槙也」


「君にはそれを言う資格はないと思うのだがね。まぁいい。自己紹介がまだだったね。私は衣川槙也。よろしくお願いするよ、結崎さん」


 彼女がうなずいたのを見て、槙也はこちらに話しかけてくる。


「それにしても修はいつ結崎さんと仲良くなったんだ?昨日までそんな気配はしなかったが……」


「あぁ、今朝の生徒会長の挨拶でちょっとね。席が後ろってのもあるにはあると思うけど」


「ふむ、そうか……」


 それっきり槙也は黙ってしまった。反応がないので肩を叩き、こちらに目線を向けさせる。


「おい、槙也。随分考え込んでいるようだけど飯の後にしようぜ。お前もお腹減っただろ?」


 結崎さんにも同意を求めようと彼女の方へ向くと、マスクを外さないままドリンクゼリーを飲んでいた。

 少しすると飲み終わったのかゴミを袋に入れ、そのまま読書へ戻っていった。

 俺は唖然としてしまった。顔を見ることもそうだし、そもそも昼ごはんがあれで足りるのかとも思った。

 俺が思考を停止していると考えることをやめたのか、槙也が昼飯の準備をしていた。動かない俺を疑問に思ったのか、話しかけてきた。


「どうかしたのか、修。ご飯を食べるんじゃないのか?」


「……ああ、そうだな」


「……本当にどうした?」


 俺のテンションはだだ下がりであった。

 俺は力ない言葉で結崎さんに疑問を呈する。


「結崎さん、もしかして今さっきのが昼ごはんだったりする?」


 コクリと、彼女はうなずいたのを見て、俺はおせっかいだと分かっていても、注意せずにはいられなかった。


「もっと食べなきゃだめだよ、結崎さん。サンドイッチぐらいなら食べられる?俺がダッシュで学食行って買ってくるけど」


「いい」


 果たしてそれはどちらの『いい』なのだろうか。十中八九遠慮の方の意味合いだろうが、俺はそれに気づかないふりをして、学食へダッシュで買いに行くことにする。


「分かったよ結崎さん!買ってくる!」


 そう言って俺はその場を去った。




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 結局学食へダッシュで買いに行ったが一歩遅く、売り切れていた。学食のおばちゃんに謝られ、いえいえ遅かった自分が悪いんですよ、と返し教室に戻る。


「結崎さん、ごめん!間に合わなかった……」


「気にしてない」


 結崎さんはそう返し、読書へ戻った。

 槙也がコソコソと話しかけてくる‥


「修、君は彼女がサンドイッチを望んでないことぐらい分かっただろう?何故行ったんだい?」


「別にそんな大した理由じゃない。ただもうちょっと結崎さんは食べたほうがいいんじゃないかなと思っただけだよ」


 そう言うと槙也は一瞬おどろいた顔をして、その後肩で笑った。


「ククッ、君はやっぱり面白いね。これからの学校生活が楽しみになってきたよ」


「お?それは悪口か?喧嘩なら乗るぞ?」


「いや、褒めてるのさ。さぁご飯を食べようじゃないか。あと15分しかないぞ?」


「うおっ!マジだ。やべぇ早く食べないと」




~~~~~~

 修が学食へ走っていった姿を結崎白は見ていた。


「彼の事が気になるかい?」


 槙也が結崎に話しかける。

 結崎は数秒黙っていた。返答に困っているようだ。

 続けて槙也は言葉を発する。


「私も彼とはつい3日前からの付き合いだが、彼にあまり君をどうこうしようという意図は無いと思うよ。今のは彼なりに君を心配して取った行動だ。素直に受け取ることを推奨するよ」


 その言葉を聞いていた結崎はうなずき、読書へ戻った。





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 最近自分の文章力の無さと構成力に問題を感じています。

 主人公の性格の変化に違和感を覚える人がいるかもしれませんが、そこは温かい気持ちで見てください。

 改善点があれば出来るだけ直すようにします

 これからもこの作品をよろしくおねがいします

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