第34話

雅之達は山を十分堪能した後、ふもとにあるキャンプ場のコテージへと向かった。今日はここで泊まる手配を伊藤刑事はすでにしていたのだった。


「凄い綺麗な建物ですね。家具も調理器具もあるし、お風呂もベットも」


初めて泊まるバンガローを見て興奮する雅之をよそに、伊藤刑事は何やらクーラーボックスから夕食の材料を取り出していた。


「さぁーー!!雅之君?こっちに来てくれないか」


雅之を台所へと呼ぶと、包丁とまな板が置いてあり、伊藤刑事は人参とジャガイモをその上へと置いた。


「この野菜を切ってくれないかな。今日の夕食は特製カレーだよ」


大きな鍋に湯を沸かして、様々な調味料とカレールーを並べる伊藤刑事の顔は、どこか自信満々の表情だった。

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