突撃!館の晩御飯!
〜これは、前回までの あらすじ……
じゃない、俺の罪だ…〜
やっと…見つけたぞ…
俺の目の前に現れた『あの少年』の言う通りであれば…
ここの『巣』の力で…
お前の『目』を治す事が出来るんだ。
俺は…やっと… 2年前の罪から救われる。
あの時、君をデートで湖に連れて行かなければ…
君は視力を失う事は無かった。
まさか、俺が目を離した隙に、湖に落ちるなんて思いもしなかったんだ。
俺はすぐに君を助けたけれど…
湖の中の微生物のせいで、君は高熱を出し…
その瞳から光が奪われてしまった…
だから、俺は医者になるべく、
勉強も部活も努力した。
みんなに認められ… 医大に行くために!
社会が認める程の腕を持つ医者になる為にっ!!
ユウトくん、リラさん…
……本当に……すまない。
君達との旅は楽しかったが…
……どうやら、ここが俺の終着点の様だ。
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「じゃあ、
リラは考え込む仕草で、何故か僕を見る。
助けてください、ここは神頼みで…
「カアクちゃん?いい方法無いかな?」
「せやな、アルマが元凶やったら彼女に揺さぶりをかけて動揺させるのがええかもしれん。その隙にバックサイド展開やぁ!」
カアクは大袈裟に両腕を天に向けるが、『チッ』という舌打の様子から、再度バックサイド展開を試みたが失敗した様だ。
本来なら、こんな状況にシブは辛辣なツッコミを入れるはずだが、彼女は心配そうにツカサ先輩を見つめていた。
それ程に、ツカサ先輩の表情は固く、まるで瞳の中に黒い炎が揺らめいている様だったのだ。
そこに突然のノック音。
その主、執事の田中さんは『失礼します』の言葉とともに、夕食の時間を知らせに来てくれたのだ。
そして…『アルマ』も同席させて頂きたいと…
田中さんが一礼の後、去っていった扉を見つめ皆が思っただろう。
これはチャンスだと、そして、
––– つまり…ここの食事には遺伝子を変化させる物質が含まれているのだろう。
だからこそ少女は言ったのだ。
『食事を口にしてはいけない…』と。
しかし、どうしたものか…?という思考の中、ツカサ先輩はゆっくりと口を開いた。
「皆…俺に任せてくれ。リラはゲノム解析機を知っているか?それをイメージして欲しい」
しかし、リラは『知らないわ…』と、首を横に振る。
その様子に、苦虫を噛み潰した様子の先輩は『ユウトは、どうだ?』と、僕に刺す様な視線を投げかけた。
––– 絶対におかしい。ツカサ先輩は今まで、僕達を呼び捨てにした事がない。それに、この棘々しい言葉は……
「あ…アニメで見た事は有りますが……先輩?どうしちゃったんですか?」
僕の答えに、ツカサ先輩は『いいからイメージしろ』と、冷たく言い放った。
まもなく、目の前に現れた白い箱状の機材。僕のイメージで…ツカサ先輩のメダルが変化した物体。
それを先輩は一心不乱に動作確認をしていた。
暫くして、「大丈夫だ…ユウト、夕食の場でもう一度イメージしてくれ」という言葉で、機材をメダルに戻した。
その中から出てきたシブは、「ツカサさん…どうしちゃったの? こんな高度な『
「シブ…バックサイド展開する為だろ。我慢しろ」
先輩が吐き捨てた言葉に、僕はついに我慢が出来なくなった。
「ツカサ先輩!どうしちゃったんですか? まるで別人ですよ!?」
その言葉を先輩は鼻で笑うと、「皆んながだらしないからだ。俺に…任せろ」と冷ややかに答えた。
気まずい空気の中、夕食の時間となり僕達は食堂に向かう事となった。
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「皆様、お待ちしておりましたわ。どうぞ、お掛け下さい」
エメラルドの様な瞳をしたアルマは、すでに着席しており…
テーブルの上には肉や魚など様々な豪華な料理が用意されていた。
その中で…ひときわ僕の目を引いたのは…
スープ皿を満たす…赤黒い液体だった。
【次回予告】
次回!『遺伝子改造のネスト』
お楽しみに!!
––– 僕の
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