侵された聖域
徐々に日が傾き、街は淡いオレンジ色に染まり始めていた。
その中、歩を進める僕たちの姿は異様だった事だろう。青い顔をした女子高生を背負う青年と、何故か
人通りも
ナロゥは『アジト』と言っていた。
何処にあるのだろう?
リラも浅い呼吸を繰り返しており、早く彼女を助けて欲しいという願いが、気を逸らせる。
カアクを先頭に、やや早足で過ぎていく
––– 見慣れた風景。
ん? 『見慣れた風景?』
「さあ、着いたで!」
––– 見慣れた『僕』の…ぼろアパート!?
まさか…
「確か103号室やったな?」
僕の
「ちょっと!カアクちゃん? 何かの間違…」
「早よ鍵出さんかい?」
はい、急用緊急の事態なので、お渡しします。 お渡ししますが!?
僕の聖域にズカズカと土足で踏み込む邪神とイケメンに背負われた女子高生…
ナロゥの『邪魔だな』という言葉で、長テーブルに並べられた
ああっ!『埴輪ハオちゃん』神回の第8話『利権争いと有価証券』を再現したセットが!
ぐはぁ!ハオちゃんと、悪役『
……まあ、いい。先ずはリラさんを救う事が優先だ。
「なんで泣いとるんや?ユウト?」
「僕にプライバシーが無い事と、あなた達の
ナロゥは長テーブルの上にリラを横たえると、「
すると、彼を中心に虹色の光が部屋に満ちた…気がした。
「ゲホっ、ゲホっ!」途端に咳き込み始めたリラの口から、紫色の霧が吐き出された。
それと共に戻っていく彼女の顔色に、僕は安堵を覚える。
「ひとまずは安心みたいだね。それではカアクちゃん? 僕の部屋である理由をお教え頂けますか?」
➖♡ギルティ所有者様限定!ご利用規約♡➖
一つ、風景に溶け込み、
一つ、
「以上!!尚、貴様に反論の権利は無い!!で♡」
どこのブラック企業の
そんな失意に沈む僕の隣で『うぅん…』という声。
リラは気がついた様だ。
本当によかった…
だが、彼女は目を覚ますと部屋を見渡し…
次の瞬間、部屋中に彼女の叫び声が轟いた。
「ぎ…ギルティ!ショウっ!! ナロゥ助けてっ!!」
はて、僕は夢を見ているのでしょうか?
震えるリラが僕に銃口を?
「私が気を失っている間に、部屋に連れ込むなんてっ!!駆逐してやる!この変態っ!」
––– この世界は残酷だ…
誰か僕に強い
【次回予告】
僅かに見え隠れする真実…
思い起こすは、遠い過去の記憶…
…は、関係ありません!
次回!『神々の黄昏』
お楽しみに!!
––– 僕の
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