おシリアス

  〜前回までの あらすじ〜 よ!


 皆さんご機嫌如何かしら? 私は大御 リラと申します。

 今……私の機嫌は最悪です。


 なんでも、私の目の前に現れた『ナロゥ』と名乗る神様が云うには、今問題となっている『怨怒症エンド』を終息させる力が私に備わっているらしいのです。

 私に力をう事、それは問題ありません。

 私は認められる筈の人間ですから。


 ですが、『ナロゥ』の話で、私と共に戦う男性が居るとの事でした。

 彼いわく、『いい感じの男』らしく、少し期待していたのですが…

 まさか、貧相ひんそうでオタクの『どうでも』とは思いもよりませんでした。


 ……かくまずは、目の前の敵…

『イヴェ』を


「消えなさい」

リラは風にそよぐ風鈴の音色の様な声と共に銃弾を放ち、着弾したイヴェは弾けるように飛散してゆく。

「ナロゥ、これ位私一人で十分よ。それに…を世間では役立たず、もしくは足手纏いと言うのよ」


「うぁあああ!!」この声の主、つまり僕は真紅の刃に振り回されていた。


 あからさまに不快な様子のリラが手にしている銃…そこからナロゥの声が彼女に語りかける。

『リラ…だけど、ごらん?とんでもない戦闘力だよ? ははっ!まるでトルネードだな!』


 …ナロゥさん?知ってます?

人間の身体は限界を超えてねじれると死亡するんですよ?


「カアク!ヤバい!脊髄がぁあああ!」

還るのです、不浄なる者よ!イテモウタルゾ!ワレ!……」

 ––– カアクちゃん?僕に言ってます?


 僕は余りの苦痛に刃を手放してしまった。

すると、真紅の刃は元のメダルに、そこからカアクは弾き出されてしまった。

「ユウトっ!何しとるんや!?」

僕はレンガで敷き詰められた道路に突っ伏した姿勢のまま、身体が付いていけないと、カアクに懇願する。


 惨めだ…女の子リラさんの前で醜態を晒しただけでなく、気概の無さまでも出し惜しみ無く口にしてしまう自分が…

 フィギア達はこんな僕でも何も言わず微笑みかけてくれる。

 ただ、僕はアニメを見て、フィギアに囲まれた中で平和に暮らしたいだけなのに…


 ––– そんな中ふと、顔を上げた時だった。

リラの背後に迫る、イヴェとは別の何か…

 まるで、紫色をした身の丈もある『蝶』と云うべきか、それを見た瞬間、僕の背中に冷たい感覚が走った。


「リラさん! 後ろっ!!」

僕は気付くのが…そして、叫ぶのが遅かったのだ。

 彼女は『えっ?』と、短く発すると、

その蝶の様なものの羽に包みこまれ、

僕の視界から、姿を消した…


       【次回予告】

 絶体絶命のリラ…

窮地に陥ってこそ、思い出す過去と決断

  次回!『【何か】をする事』

            お楽しみに!!


––– 僕の歴史に、また新たなる1ページ!

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