罪を背負いし者
〜前回までのあらすじ〜 やで。
知性と美貌を兼ね備えた女神『カアク』に選ばれし少年『ユウト』…彼は秘められた力に目覚め、魔王『メルセ=デス』に挑む覚悟を決める。
カアクは誓う…例え自分が犠牲になろうとも、生きとし生ける者の為に平和な世界を取り戻すと…
たった一つの真実に立ち向かう!
見た目は美少女、知能は全能の女神…
その名はっ
「
僕は、たまらずチョキをカアクの鼻の穴に打ち込んだ。
「……なんだか、怪しい雰囲気だったので無理矢理止めました。それに、色々突っ込みどころがあり、気が付けば指を突っ込んでいたんです。すいません…」
「あんたなぁ!ウチは神様なんやで!?こんな事して
イヴェと呼ばれた敵は『
僕の手にあった刃は元のメダルに形を変え、再び目の前に姿を現したカアクは鼻を摩りながら「でもなぁ、中々ええ感じやったわ。ユウトとウチの相性バッチリやね。ぽっ♡」と、頬を赤くする。
「何が『ぽっ♡』だ!それに『オノマトペ(注1)』を口で語るな!」
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(注1)オノマトペ
自然界の音・声、物事の状態や動きなどを音(おん)で象徴的に表した語。音象徴語。擬音語・擬声語・擬態語など。
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「ところでカアクちゃん、魔王って何?名前も色んな意味でヤバいし、そもそも僕は協力するって一言も……」
その言葉に…そう、奴です。
日本が誇るRPGの原点。国民的ザコ敵!その名もスラリン!
奴の様に赤く燃え盛り、大きく裂けた口元で、カアクはこう言ったのです。
「契約不履行やと…罰金一億円やなぁ?
ほれ、契約書に書いとるやろう?」
彼女の指差す先、僕のメダルのフチに!?
『途中で放棄した場合、契約元の指示に従う事』と刻印されていた。
新手の詐欺…だ…全てが理不尽だ!
「…と、いう訳や!これからも宜しくな。
ユ•ウ•ト♡ 早速やけど…」
そう言ってカアクはこれからの事を話し始めた。
まず、魔王というのは冗談で、ここは現実とLINKしている
そして今しがた戦ったイヴェとは、問題となっている『
「イヴェの毒素は、見ての通り充満しとる。それが、現実世界に流出しとるんや…」
ふと思う、「カアクちゃん、僕、普通の人間ですが…この状況大丈夫なんでしょうか?」
その問いに対し帰ってきた答えは、「ウチと契約した時点で大丈夫や」という実に曖昧なものだった。
「そんな心配性なユウトに朗報や!『物語』には優しくてプリチーなヒロインが必要やからなぁ。とっておきの
……強引がここまで来れば立派な侵略ですが、悪い話ではない様です。
既に諦めていた夢、初めての3次元彼女が出来るのかもしれません。
更に、アニメとかでヒロインといえば、それはそれは可愛いに決まってます。
しかし、カアクちゃんが発した次の言葉に、僕は耳を疑う事となりました。
彼女は言いました…
「ヒロインは……『オオゴリラ』やっ♡」
【次回予告】
皆様お待ちかね!? ヒロインがいるってさ!
一抹の不安を胸に立ち上がれ! ユウト!!
次回!『現実とは』
お楽しみに!!
––– 僕の
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