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王女様の物言いにお義母様がピクリと反応する


「ええ、ユーリには勿体ない位優雅な子ですわ」

「そうかしら?所でユーリ様が目を覚まされたのですよね?

ユーリ様!!!」


お義母様の言葉を軽く流しユーリの前に立っていた私を押しのける


「王女様」

「私の事覚えた下さったのですね、良かったですわ!

ユーリ様階段から落ちた事の事思い出せますか?」

「そこら辺の記憶が曖昧でして、よく思い出せません」

「そうなのですね!実は私が階段から落ちそうになった所をユーリ様が救って下さったのです!」


そうだったんだ・・・

でも全然申し訳なさそうではなくて、逆に嬉しそう


「なので、私責任を取ってユーリ様と結婚いたしますわ!」


(はぁー?!?!?!)


思わず叫びそうになったのを必死に堪えた


何を考えてるの?!


それはお義母様も様で顔を引き攣らせながら、王女に声をかける


「申し訳ございません、ユーリには既に婚約者がおりますので」

「あら?ユーリ様は婚約者の方を覚えてないのですよね?でしたら問題ないのでは?」


問題大ありよ!!!


「ユーリ様もそう思いますよね?覚えてない方よりよく知っている私の方がいいと思いますわ!

ユーリ様のお母様もお父様もそう思いますわよね?

私いつでもユーリ様と一緒に住める様に準備しておりますの!」


それはもう興奮しているのか、凄い勢いでお話される


「これは今ここで判断できる内容ではございません。申し訳ございませんが一旦家族でお話させて頂いてもよろしいですか?」


「そうですわね!では良いお返事をお待ちしておりますわ!ユーリ様後ほど」


ユーリに声を掛けると、王女様は扉から出て行った


先生も出ていき、この部屋にはユーリと私とご両親のみになった



「さて、ウィリアムどういう事か説明してくれるわよね?」


今まで空気だったお義父様にお義母様がにっこり笑いながら声をかける


「いや、あの。視察のついでに国王に謁見していてなユーリを見た王女様が一目惚れしたらしく結婚したいと、国王もその気でこう、な」

「それで?」

「ユーリは婚約者がいるからと好きな人がいるからと逃げたり闘ったりしていたんだが、自国に帰るとなった時に今回のこの騒動となり、まし・・・た」


話すたびに言葉が小さくなっていくお義父様


普段は威厳があり、とてもかっこいいのだがお義母様には勝てない


それだけお義母様は強い


「はぁ・・ガーネットちゃんの言っていた通りトラブルしかないわね」

「ど、どうする?」

「どうするも何も・・・とりあえず一旦家に帰りましょう。ここでは落ち着く事もできないわ」

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一回婚約破棄されてみた さち @1825saku_

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