12

私達がつく朝方に目が覚めたらしく、今は検査を受け終わった所らしい


目が覚めたのね・・・

良かった、本当に良かった


「こちらでございます」


扉を開けて中に入るとベッドに腰をかけているユーリがいた。


「ユーリ!良かった、ケガは大丈夫?どこか痛い所はない?」


駆け足で側までいきユーリの目線に合わせて膝をつく。


「ユーリ良かったわ目が覚めて」

「ありがとうございます、母上」


お義母様に声をかけるユーリだが、私を見る顔は困惑していて


「ユー・・リ?」

「所で君は誰だ?」


その一言で固まった


「ユーリ?!貴方ガーネットちゃんがわからないの?!」

「え、ええ何故部外者がここに?」

「一旦、失礼します・・・」


ここにいることが辛くなってきて、フラフラと部屋から出た


中に入る勇気がなくて、5分位扉の前でボーと立ってると扉が開く音がし、振り向けばお義母様が泣きそうな顔で見ていた


「大丈夫?ガーネットちゃん」

「はい、すみません急に」

「ガーネットちゃんは悪くないわ。今お医者様に診てもらって状態を確認してもらったわ。

一緒にきく?」

「はい」


中に入り、ユーリとお義母様、私とで先生のお話をきく


「ガーネットさんの事のみを忘れている様です。

その他の事は覚えているご様子です

一時的な記憶喪失ですね、稀にその様な症状がございます。」

「記憶、喪失・・一生思い出さないのでしょうか?」

「難しいですね、何かきっかけがあれば思い出すでしょう」

「そうですか」


もしかしたら一生思い出さないかもしれない・・・

チラリとユーリを見ても私とは目が合わない


いつもはそんな事なかったのにな・・



扉からお義父様と後ろに女性を連れて中に入ってきた。


「ガーネットちゃん!」

「お義父様・・」

「ユーリが目を覚ましたってきいて」

「それが、ガーネットちゃんの事を忘れているみたいで・・」

「なんだって?!」

「先生に状態を確認してもらった所なの、ところでウィリアムそちらの方は?」


お義母様がチラリと女性を見る


「初めまして、私この国の第一王女ベロニカと申しますわ。」


王女様?!何故?!


「それは、失礼致しました。

エリー・ランセリアでございます」

「ガーネット・オルタンスでございます」


お義母様に続き、私も自己紹介する


「まぁ!ではユーリ様のお母様でいらっしゃるのですね!お会いできて光栄ですわ!

えっと・・そちらの方はどのようなご関係で?」


「ユーリの婚約者でございます。」

「あら、貴方がユーリ様の婚約者?

まぁ、ユーリ様に比べると随分慎ましやかな方ですわね」


これは、遠回しに言われてるけど凄い馬鹿にされている・・・・

エレナ嬢に比べるとまだ上品なのかな

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