第4話

今回の事件はヴァン様も仕事の一環としてユーリのお手伝いをしていた。


視線をユーリに戻すと未だに5人に絡まれていた。


「もういい何度説明しても理解しないだろ、衛兵連れていけ」

「はっ」

顔を手で覆いため息をついたユーリは扉近くにいた衛兵と外で待ち構えてた衛兵に声をかけ5人は騒ぎ、抵抗しながら外に連れ出された。


「お疲れ様ユーリ」

「ガーネット!!疲れたよー!!癒して!」

さっきまでの真剣なモードだった顔つきが崩れへにゃと笑う。


「ユーリ、終わったならどいて頂戴。邪魔よ」

マリア様がユーリを押し除け、卒業生を見渡す


「この度は私共の婚約者がご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。このパーティーはまた後日仕切り直しさせて下さいませ。」

マリア様が腰を折り皆さんに頭を下げる

マリア様、シャロン様、アーリ様、ミアナ様が並び頭を下げる。

私とユーリも頭を下げる


「そんな!頭をお上げ下さい!私とってもスッキリしました!」

「私もですわ!皆さんとってもかっこよかったです!」

「正直殿下達には学園にいた時から失望していたからな」

1人の女性が声を出すとそれを皮切りに色んな所から声が聞こえる


私達は顔を見合わせ、ふっと安堵する


みんなやっぱり不満を抱いていたのね


そこからは最初の時間を戻したかのようにみんなお話しをしたり食事に戻った。



「とりあえず、一段落して良かったですね」

「ええ、そうね。まさか卒業パーティーでやらかすとは・・・。流石にあそこまでお馬鹿だとは思わなかったわ、聞かないとは思ったけど念の為別室案内したけども的外れな事を言うし本当に、本当に!!!」


マリア様が持っていたシャンパングラスがビキっと音が鳴る。


「僕は今日かなってなんとなく思ってたよ、あいつら目立つ事好きだし」

「思ってたなら止めなさいよ!!大体貴方がもっとエレナ嬢に冷たい態度をとればこうならなかったのではなくて?!」


マリア様がユーリの足を思いっきり踏んづける


「いっ!!!」


相当痛かったのか踏まれた所を手で抑えて涙目でマリア様を見ている


「仕方ないだろ、陛下に泳がせてくれと命令されたんだから。僕に八つ当たりするなよ」

「本当に長かったね、陛下の命だとしても一年は長い」

陛下から命を受け、ある意味この日の為に私達は(特にユーリとマリア様達)が頑張ってきた。


「エレナ嬢本命はユーリアナ様でしたね、殿下達は補欠の様な印象を受けましたわ。はい、マリア様新しい飲み物よ」

「ありがとうシャロン」

「確かに最後まで粘ってたな」

「あら、ヴァン様」


私達の輪に突然後から声がかかり振り向けば、ずっと隅でお酒を飲んでいたヴァン様で


あんなにのんでいたのに全然酔ってない・・・


「シャロン疲れてない?」

「ええ、ヴァン様は変わらず飲まれてましたね」

「俺が近くにいると余計ややこしくなるからな」

「ふふ、そうかもしれませんね」

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