第2話

私が1人項垂れているとエレナ嬢が殿下から離れユーリの元へきた


「ユーリ様は私に可愛いって言ってくれました!それにユーリ様に好きと言われてる姿を見たことないです、こんなに褒められてるのに言われないって事はそういう事でしょ?!ユーリ様を縛らないで!最低!」

「おい!いい加減に!!」

「ユーリ」

ユーリの言葉を遮り、私より背が低いエレナ嬢を見下ろす


黙って聞いていれば好き勝手話してこっちの話は聞きやしない


「貴方の質問に答えますね、まずユーリがエレナ嬢に褒めた件ですがユーリは基本的に女性には普通に褒めます。初めて会った方には伝えますがそれ以降はほとんど褒める事はないです、これはランセリア夫人の意向です。

次に私がユーリから好きと言われないのは私が人前で伝えるのをやめる様お話ししたからです。

ユーリは私の婚約者その愛を受け止め聞けるのは私だけ、ユーリの愛は他の人に聞かせたくないから

勿論私も人前でユーリには伝えない、これは私達2人だけの約束。

最後に縛らないで?婚約者なんだから縛って何が悪いのかしら、そもそも前提が違うのよ

私達は確かに婚約者だけどその前に恋人同士なのよ

いい?愛し合ってるの、ここ間違えないでくれる?」

「な!!!う、嘘よ、だって私に落ちない人はいなかったもの!それにユーリ様は可愛い私の方がピッタリよ!」


粘ってくるわねー、というより自信が凄い

確かに可愛いけどそんな自分で言うことじゃない気がするけど


「エレナ、あんな奴はほっといて俺と結婚しよう。そうすればエレナは将来の妃だ。」

「レイ様!」


「殿下だとしてもエレナは譲れない、結婚するのは俺だよ。妃程でなくても宰相の息子の俺でもエレナを楽にさせてあげるよ」


殿下がエレナ嬢の肩を抱きしめるがすかさずノアル様がエレナ嬢の腕を取る。


「僕の事忘れてない?エレナちゃん、僕は商会を将来継ぐからきっと色んな国のお土産や宝石を沢山プレゼントできるよ」


エレナ嬢の手を取り甲にキスをするウォルド様


「俺はレイ殿下に忠誠をしている、裏切る事は出来ないだが、それでもエレナが俺を思ってくれるのからその想いに応えたい、俺の命に換えてもエレナ君を守ると誓おう」

「っ・・・!カル様!」

目の前に立ち、自分の心臓に手を当て見つめ合う2人


いや、なにこれ。なんか突然劇が始まった。


「ユーリ・・様」

「え、何まさか僕もその中に入れって言わないよね、絶対無理なんだけど」

顔を赤らめユーリを見るエレナ嬢にユーリが心底嫌そうな顔をする。


「盛り上がっている所申し訳ございませんが、そうゆう劇は間に合っているので一旦周りみて頂いてもよろしいですか?」


ずっとニコニコとなりゆきを見ていたシャロン様が片手を広げパーティーに参加していた生徒達を指す。


コソコソとお話ししながらだらしな4人組とエレナ嬢を見る生徒、あるものは不愉快そうに殿下達を睨みあるものは壁の花となる


そりゃあそうだ、自分達が主役のパーティーでこんな好き勝手されたら誰だっていい気分はしない。

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