一回婚約破棄されてみた

さち

第1話

学園の卒業パーティー

今、私は4人の綺麗な令嬢と一緒に目の前のいい所の息子4人プラス男爵令嬢1人プラス私の婚約者と向き合っている。


「ここにいる者は自身の婚約者とは婚約破棄するといっている。勿論俺もだ」


殿下は男爵令嬢の腰を抱きニヤリと笑う

男爵令嬢は金色のゆるいウェーブを綺麗に後ろに流し、加護欲をそそる涙目で殿下にすがりつく


殿下の婚約者であるマリア様が額に手を置き顔を歪ませる。

「殿下何故今この場所でお話しされるのですか?別室でお話ししませんこと?」

「ここでないと意味ない、皆がいるこの場所はそなたも泣こうが喚こうが頷く事しか出来ないだろう!」

「何故私が泣いて喚く前提なのかしら」


騎士団長息子の婚約者ミアナ様、宰相の息子の婚約者アーリ様はそれぞれの婚約者を睨んでいる

それはもう殺すぞと言わんばかりの睨み


商会の息子の婚約者シャロン様はニコニコしている。

その笑顔が逆に怖い


そして最後の1人このだらしな4人組の中で群を抜く美形は我が婚約者ユーリ

だらしな4人組ももちろん顔の造りは綺麗なんだけど、ユーリだけは別格なのよね


「ユーリ様!何故そんなに離れた場所にいらっしゃるのですか?」


そう、ユーリはだらしな4人組と令嬢とは一メートル以上距離を離れている。


「え、なんでって?」

「そうだぞ、ユーリアナお前も早く破棄をしろ」

「わかったよ」


ユーリは私の元まで歩みより


「ガーネット、僕と婚約を解消し結婚してくれませんか?」


膝をつき私の手を取りキスをする。


結婚?!?!


「ちょちょちょ!待って!結婚はきいてないわ!」

「いやだなーきちんと言ったじゃないか、結婚しようって」

「あれは動揺してたユーリの冗談かと!」

「冗談であんな事言わないよ」


どういう事?!


「待ってください!ユーリ様!私は?!私を愛してくれてるのではないのですか?!」


殿下から離れユーリの元へ行こうとしていたエレナ嬢が叫ぶ


「あのさぁ、僕君に愛称で呼んでいいなんて言ってないよね?後、君に愛を囁いた事ある?ないよね?勝手な妄想で僕と可愛いガーネットを巻き込まないでくれる?」

「っ!!家柄もよくなくて地味な顔で特に目立った所もない人がなんでユーリ様に好かれてるのよ!洗脳でもしたの?!」


おっと、すごい言われ様だ

確かに家柄は伯爵、顔は本当に地味オブ地味

学問も中の中自分で言っていてとても悲しくなってきた。

ユーリは閣下の息子、昔からランセリア一族は天才だった

この国が他の国より発展してるのはランセリア一族の功績でもある。

なので色んな意味で王族の者はランセリア一族に頭が上がらない、ただそれを知っているのはごく一部の者のみ。

ユーリに関しては閣下の息子だとしても頭よし武術よし顔よしのハイスペック人間だ。

本当に顔面に関してはこの世の美を集結したの?って位綺麗な顔立ちをしている。

漆黒の髪にスラっとしているが身長は学園の男子より一番高いこれで令嬢が放っておく訳がない。


「いい加減にしてくれないか?洗脳はされてないしガーネットは比べる者がないほどに綺麗で可愛い」

「もうやめてユーリ私のライフはゼロよ」

何故かユーリの目には私が絶世の美少女に見えるらしい。

毎日の様に囁かれるその言葉に医者をすすめたが遠くの木の模様まで見える位には目がいいとの事。


どうして?どうしてそうなったの??

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る