第3話 魔術 概要

「さて、今日の授業ですが、基礎的な話をしたいと思います。もちろん知っている人もいるかもしれませんが、ね」


 次の日の最初の授業は一日中魔術に関するものだった。


「まぁ、魔術と魔法の違いは、わかっていると思うので、魔術の発動方法から教えますね。」

それと同時に黒板に板書した


系統 : 放出系レディエーション 付与系エンチャント

属性 :無 火 水 氷 風 雷 土 光 闇

構成 : 通常魔術ノーマル 遅延魔術ディレイ 高速発動クイック 遠隔操作リモート 連鎖魔術チェイン 大規模化エクステンシブ圧縮インテンシブ


「これらの要素を組み合わせて術式を構成していきます。例えば…」

放出系レディエーション = 氷(初級) = 遠隔操作リモート

氷の矢『アイスアロー』への処理をしていった。

それは天井に向かったが、ぶつかる寸前で軌道を変え、床に衝突した。


「このように《放出系》だと魔術の射出等がこれに当たります。逆に《付与系》はそのままですね。『身体強化』のようなものがこれに当たります。

 属性については適性があります。その調査方法は次に回しますが、それが分かっていないとこれからの学院生活が、無駄になると思っていてください。」

 ちなみに、無属性というのは魔力そのままをまとったり、射出したりするものである。

「最後に、この構成についてです。


《通常魔術》は、なんの捻りもない、ただうつだけです。


《遅延魔術》は主にトラップとして用いられます。発動は術者の技量に依存します。大気、地面の振動で発動するものもあれば、魔力が含まれるものが近づいた時の場合もあります。


《高速発動》は、術式構築から発動までのタイムラグがなくなりますが、やや威力が落ちます。近接戦闘でよく用いられますね。


《遠隔操作》は、さっきのように軌道を変えることができます。


《連鎖魔術》は、量の問題ですね、《通常魔術》は一つしか出せませんが、これは複数出すことができます。威力は、術式に込める魔力量によって変化します。


《大規模化》は、広範囲に及ぶようにするものですね。どの場所にいても威力は変わりませんが、魔力消費量はものすごいので気をつけてください。


《圧縮》は、《大規模化》を無理矢理収縮し、より威力を高めたものです。対人最強の構成ですね。」


「さて、だいたい説明が終わりましたが、何か質問は?」


すると、1人の男子生徒がてをあげた。


「適性属性は1人一つなのですか?」


「あぁ、相克と相乗の話は、まだでした。それについては次に一緒にやりますね。」


他の女子生徒が質問した


「魔術の話ではないのですが、序列はどのように決まるのですか?」


「潜在魔力量や、術式構築の技術、軍部、協会から出される任務の達成数とその難度とによります。」


中でも任務の達成数とその難度の割合が多い。

任務には、難度によってS~Dにランク付けされているのだ。

「もう質問がないようなので、最後に、   《固有魔術》と《結界魔術》について話しておこうと思います。

 これを取得するのは、運によります。私自身持っていませんし、持っている生徒も数人でしょうし、私の知っているのは生徒会長ぐらいです。それだけ強力だそうですが。

 《結界魔術》は、《固有魔術》の応用だそうです。その程度しか私も知りません。」


それでこの話は終了した。


「さて、次の授業からは実技です。明日の模擬戦のために、がんばりますよ」


「先生!明日の模擬戦ってなんですか?」


「あれ?言ってませんでしたか?1ヶ月後には、1学年のみで生徒会、風紀委員、部活などの勧誘を兼ねた模擬戦があるんですよ。先輩方も見に来ますので、頑張りましょう」


 最後に爆弾をぶっ込んで、授業は終了した。

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