第45話「外国人と英語で会話するだけで謎の優越感」


「愛斗、もしかして、彼女でもできたの?」


「んなわけ・・・」



そう言いかけた、まさに絶好のタイミングで、玄関のドアが開く音がした。


誰が来たのか、それは明白すぎる。



「・・・?」


「あ、あ、愛斗・・・」



はい、マリアさんです。


ちょうど良すぎるタイミングで、帰宅してきやがりました。



「愛斗、この人誰よ!?」



マリアは黙っているのに対し、姉貴は動揺しているようだ。



「えっと・・・」


「彼女か? 彼女だな? 彼女なんだな?」


「落ち着け姉貴!?」



とりあえず、皆さん座りましょう。


まぁそれは良いんだけど、姉貴がベッドに足を組んで座り、俺はその正面で、フローリングに正座で座る。


何この状況。


ちなみに、マリアさんはその中間に適当に座ってます。


そして、お茶をすすってます。


こんな状況なのに、なんて吞気なんだ!?



「それで愛斗、この子は誰なの?」


「マリアさんです」


「Nice to meet you」(和訳:はじめまして)



そう言い、手を振る。


マリアさん、今の状況何一つとしてわかっていませんよね?



「な、ないしゅちゅ、ちゅ?」



そして姉貴、英語下手過ぎません?



「ゴホンッ。愛斗・・・もしかして、この子外国人!?」


「見た目でわかることだよね? それ」



金髪で青い瞳をしているマリアさん。どう考えても日本人には見えないでしょ。



「えっと、ハロ~」


「Hello」(和訳:こんにちは)


「愛斗、お姉ちゃん外国人と会話をしているわ!」



小学生ですか?


というか、英語が苦手というのは聞いていたけど、まさかここまでとは・・・。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る