探索 怪異

チリン チリン


微かに大気が震え、音がした

どこから鳴るのだろう?一応扉の傍に視線をやるが、別段何の変化がない


ん?

この小さな白い紐は?

どういう作りか知らないけど、紐が微弱に揺れている

その糸の先がどこかへ繋がっている


歩いて辿ると、壁に立て掛けてある箱の様な物に繋がり、その蓋を開けると


「うわぁ、凄いな」


中には、各種部屋名がありランプが付いている

どうやら・・これは、来訪を告げるインターフォン?みたいな電信装置か何かだろうか?

どういう作りなんだろう?なんだかおかしい不気味さが心に這い寄る


帰りたいが、帰る場所も帰り道も塞がれたんだし、もう進むしかない


機械を見ると、地下の監視室という部屋のランプが薄く点灯してる


監視室?嫌な名前だしよりによって付いた場所がそこかよ・・それに

電気が通ってる?じゃぁ、人が居るのでは?では何故誰も来ないのだろう?

ますます帰りたくなってきたが、依然、静寂だけが募っていく

ランプも消えそうに無い


仕方なく周りを見渡すとカウンターがある

電話はないか?そう思ったが見つからないので、しらみつぶし何かないか探す

すると、壁に見取り図が大きく貼られていた


大きい屋敷なんだなぁ。その地図を見ると、二階の他に三階もある


が、ここには一階から見える部分の張り紙しか見当たら無い

さっき見つけた監視室はどこか探すと、・・・あった!

今居るのが、カウンターだから・・


――ゾワッ―


一瞬、強い寒気に襲われる


どうやら、今自分のすぐ目の前の暗い通路

この一回脇の通路を奥まで行った先に、管理人室がある

その部屋内に監視室も兼ねてるのだろうか


でも、少しおかしくないかな・・ランプが静かに点滅を繰り返すままなのに

誰も気付いてる様子も無い

壊れてるのか、はたまた人はいないのか

胸がハラハラして、呼吸が浅くなるのを堪えながら、ゆっくりと薄暗い通路へ

恐る恐る足を伸ばす


緊張と冷や汗が背中を流れたのを感じながら、たどたどしい足取りで歩く

闇の中に命までもが吸い込まれそうな暗闇だった


蠢(うご)めく不安にただただ心までも飲まれて、押し潰されそうになる 

僅かに床の軋みを立てて奥へ進んだ

なんだろう?なんだか感覚全てが妙にざわざわしていく

慎重にゆっくりと暗い通路を歩く


どこかの部屋が拭き晒しに見えてて、白いカーテンが夏の月明かりに照らされて

涼しそうに靡いていた

何故か、寂しい気持ちになりながらも、奥へ進む

さっきの部屋も広くて殺風景な部屋だった


うぅ、壁になんか知らない人の絵がある

覗かれてる気分でひどくぞわぞわする・・着いた

ようやく奥の寒々しい薄汚れたドアの前に立つ

表記(ネームプレート)には管理人室/監視室 と書かれてあり、一呼吸つく

すると、、


ふいに、どこか階上の方からか、ガシャンと窓が割れる音と、何かが転がる大きな

音がした。鉄のノブを回そうとした手が強ばる

肩を震わせながら、なんとなく後方を恐る恐る確認して耳を澄ます


――ベチャ!?・・ズルズル・・ゴリゴリ・・ズッ・・ズッ ・・・何の音なんだ?

気持ち悪い音が響いた


だが暗闇に目をやるが何も見えるはずもない

ただ、この音は・・

誰か居るのか?

いや違う

なんだか嫌な気配がする

背筋が急激にざわざわした

声が枯れるような胸のざわつきに気づき、自分の肩を抱いた

すると


グシャッ!?ガラガラ


何かを潰した音が聞こえた後に、階段付近に何か大きな何かが落ちた音が

盛大に響いた



誰かいた、、っとほっとする前に、肩がわななき、後ろ手にドアノブを掴む

回そうとしたのに・・あれ?嘘だよね

・・・回らない!?


そうこうしてる間に、自分のはるか後ろから、何か動物の短い嗚咽が聞こえた気がした

何かでズガッズガッと、鈍い音で何かを叩く音が響いた


なんだ?


一体何が起きてる


向こう側で?


嘘だよね?おかしいよね?

確かに聞こえた

ヒィって短い音・・

それは悲鳴?

いやいやいや怖い怖いありえない

頭が電気が過剰に流れてパニックになる

さっきから鉄のノブを後ろ手に回そうとするがうまく回らない

そうだ、振り向いて開けば

そう思った矢先、


  ナ  ニ   カ  二  キ   ズ  カ  レ   タ

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