第2話 登校

そうして変な匂いをどうにか適当にごまかして洗面所から

玄関に行くと、そこには兄の修司が立っていた

くそ!目が見えるはずなのに秀才メガネなんて女子が好きそうな

メガネしやがって・・ぶちのめ・・


「おい、なに人に朝からガンつけてきてんだよ・・ってなんだこの匂い・・やべーな」


「父さんの匂いがオマエからするんだが・・・くっ・・・どうにかしろよ」


「ほら、俺の、こ、香水貸してやるからさ」

兄貴は何故か顔を赤らめてる。あっ匂いが駄目だったからかな?



「え?あ、いや、まだ寝ぼけてて、あはは、やっぱイケメン兄貴には敵わないや」

そういって俺は、兄貴のフレグラーンス♪な香水を借りて

悪夢の親父臭を取る



「ふぅ、兄貴、ありがとう」



「お、おまえいつもトロいんだし、なんだ今日はおめかしして、気張ってんな?んな事おまえなんかがしても、雌豚なんてよってこねぇし、まだお子ちゃまなおまえには必要ねえよ」



「な、そ、そんなん違ーし。せめて兄貴に弟だから、兄貴に迷惑かけねー位に

気遣ってやってんだよ。俺だってモテモテだし」



「おっ、そ、そうなのか。へー初めて聞いたわそんなん。まっいっか。そろそろ

玄関前で幼なじみの立花(りっか)も待たせてるし行こうぜ。遅刻ギリギリだ」



「ほーい、いつもいつも、立花も飽きねぇよな。兄貴LOVEってか?ほんとクソだな」

俺は朝から性懲りも無く毒づいてしまう


しかし兄貴は

「アホか。おまえが待たせてんだよ。いいから行くぞ。秀才の俺様が登校する訳には

いかんからな。さぁ、マイブラザー行くぞ」

そういって玄関の扉を開ける


「いってらっしゃい」

そうして母に声を掛けられる。はぁ・・いいよな兄貴は。

なんてったって超絶美人な母親に似て、超美形なんだから



対して俺はというと、万年平社員のハゲ親父に似てるときた

はぁ・・なんで母さんは親父なんかと毎日ラブラブしてんだか・・


そう思ったときだった



「えぃ☆でこぴーん あはは優ちゃんおはよう。それと修司君も」



「いてぇっ!・・っておまえリリ!なんでデコピンすんだよ」



「あははお寝坊さんなんだから仕方ないじゃん。あっ、お母様おはようです!今日も

美人さんで憧れますぅ」



「あらあらありがとう。いつもごめんねリィちゃん。うちの馬鹿息子が

だらしないとこまでお父さんに似なくていいのにねぇ。まぁそこも可愛いのだけど」



「き、きしょいわ!朝から恥ずかしい。息子に可愛いとか言うなよ息コンかよ!」



「あらあら、私はパパコンよ(照)」



「やめよう母さん、人が見てるから」



「あらあら修司、修ちゃんの事も好きよ~」



「ありがとうございます母さん。遅刻しますのでそろそろ登校します」

そういって冷たく修司はドアを開けて外へ出る


なんなんだろこいつ。いっつも母さんには冷たいんだよなぁ

そう思いながらも遅刻は困るので外へ俺も出る



「あれ、お母様、お父様は?最近見かけないんですけど」



「あぁ、出張よ。それにほら、最近薄毛に悩んで病院に治療して通ってるみたい

早く治ってほしいわぁ」



「そうだったんですね。私もユーモア溢れるお父様に早く会いたいです。あはは」

後ろではリリ(立花を俺はこう呼んでる)が母と談笑に華を咲かせている


「おい!行くぞリリ!」


「あっはーい。じゃ、いってきますお母様」


「はい、きおつけてね」


そう言って、俺らは登校したのである

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