04 邂逅

「そこまでだよ!」

誰かの声が響いた


白夜の雷光を纏った、自決を覚悟して突撃を仕掛けていた騎士は

刹那、声の主を見やる


ーあっ・・・!?あぁぁぁぁ、どうして!?ー


ーどうして・・貴方がそこにいるの?ー


騎士の瞳は大きく揺らぎ、その瞳の中に見えない涙が浮かんだ


「そんなはずないっ・・そんなはず・・・」

騎士は自分の全力を賭けて挑んだ闘いの最中、僅かな時間の中に、大きな動揺を

隠しきれなかったのが仇となった!


「はっ・・しまった・・」

その瞬間だった


「あぐぅぅっ・・・かっ・・・はっ」

その瞬間・・全ての時が恐ろしい程までに、優しく、ゆっくりと時を描いた

床に滴った大量の鮮血は、弧を描くかのように鮮やかな色を纏った


「・・・・・お馬鹿さぁん」

抑揚の無い、だが感情がこもっていない声が、廊下に響く ついで、ギリィッと剣を握る

指先に込められた力だけは、言い表せぬ程尊大だった


「・・この、、泥棒猫・・死ぬ前まで色目を使っていい想いに浸った気分はどう・・?

でも、・・はぁい(ギリギリ・・) ジ・エンドよ」


ーカシャァンー

と、床に冷たく剣が落ちる音が響いた

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悪役令嬢 ~罪の紅茶はいかが?~狂った愛のlabyrinth 手児奈 @tekonyas-tekona

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