第11話 雪花舞踏会への招待


「あ、いけないヴァルジニテ王女様からティエ姉様に伝言よ

今度の雪花祭りの舞踏会に来て欲しいって」


「あ、わかったわ じやあ用意しなくちゃ」


「そうね…お洒落しないとね」

心の中で、密かにエリンは思う


あの雪花祭りで結ばれるカップルって多いわよね~


雪花の花びらが咲いたり

散る様はとても綺麗でロマンチック


雪花が終わる頃は雪降る冬の季節

雪花の時期は寒くなるから~

余計、人肌の暖かさが欲しいって


年上の人妻の友達が言っていたわ・・くすくす・・うふ

いよいよ行動を起こすわね


ヴァルジニテ王女様

頑張ってねティエ姉様

変なジジの年寄りの再婚相手や側室になるより

きっと幸せにしてくれるわ~


再婚相手とか嫁ぎ先に

意地悪な親に娘とか息子に兄弟がいたら大変だしね~


側室の場合 側室仲間や正室に何をされるか判んないからね~

相手が変態かも知れないから~


やっば、多少、浮気の傾向あるけども

ヴァルジニテ王女の方が幸せにしてくれるわ~


将来はこの国を治める女王様

一番の黒の国の権力者


情熱的だしぃ~優しいしぃ

~執念深いから好きな人は絶対、手離さないわ

(この辺の性格も既に見抜いている)


まあ 同性だけどねえ~

お姉さまは残念ながら もう子供は出来ないしぃ~

下僕や敵には情け容赦はないけどぉねん~~うふ♪


ワイアット兄様・・他の皆さま

お気の毒様


生涯、ヴァルジニテ王女様が死ぬまで

下僕ね


その上、憧れ恋したティエ姉様は…

ヴァルジニテ王女様のもの

密かな皆さまの憧れ


本当にお気の毒様 うふっ


「あ、エリンも雪花祭りの舞踏会には

参加するのでしょう? 新しい服を仕立てましょうか?」


「うん、そうするわ♪ティエ姉様も仕立てましょうね」

「え・・いいわよ

勿体ないわ、エリンはこれから

素敵な殿方との出逢いがあるから、お洒落しなくちゃ…」


「駄目駄目!ティエ姉様もお洒落して

じやないとエリン・・・」

じわ・・・とティエを見ながら涙を浮かべる


「あ・・あ・・はい

お洒落するわ!!新しい服も仕立てるから泣かないでエリン


ご免なさい

そうよね 一緒に行く私も 傍で参加するし

王女様のご招待なのにお洒落しないと失礼になるわ」


「うん、うん、そうそう うふふ」

にっこりと笑うエリン


「あのねエリン 時々、私、変なのよ

ヴァルジニテ王女様のあの宝石のような

赤い火焔の瞳を見るとドキドキするわ」

「益々、お綺麗になられたし

私にとって、あの方は大恩人 そのせいよね」


「うふふ・・うん、うん」

「そうよね~火焔の瞳は誰もが誉め称えるから

あの瞳を見るだけで、ドキドキする人は多いわよ~


万華鏡のように煌めいて赤い宝石のようだもの


久しぶりに出た火焔の世代の赤い火焔の瞳で

火焔の世代が出現すると


たまに王家の血を引く黒の大貴族とかに

片眼だけ火焔色のオッドアイの子供も出るけど

今回は一人もいないわね


片眼の火焔の瞳の者は

必ず火竜王、火焔の王を支えて将軍とか側近に大抵なるわね~」


「黄金の世代も同じでそうだけど」

「黄金の魔力の場合は予知にも優れてるから、神殿に仕える

先読み(預言者)になる場合もあり・・かな」


「あの戦上手な火焔と黄金の世代はかなり特殊だわ

気性も激しい でもって火焔は出現率が黄金より低め」


「でもヴァルジニテ王女様には二人も

無敵の竜人の守護者がいるから~ね」


「赤い火焔の片眼の将軍は必要ないかな」


「戦上手だけじやなく

あの生きた赤い火焔の宝石の瞳をただ見たいと思う者は多いわ~」


「でも、稀に狂王だったりして

その場合は最悪、大変よね

昔、黄金の狂王の時代に大虐殺があったから

幸い、火焔の王に狂王は何故か いないわね 残酷な逸話は沢山あるけど


大抵、被害にあったのは

敵の白の国の者たちか反逆者達だから」


「敵には冷酷で容赦ないけど 身内とか民には優しいわ 今の処」

心の中で思うエリン


いい傾向ね・・ティエ姉様うふ♪

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