第6話 風の王ヴァルーダ

「それは我々の事かな?」

にっこりと笑う中年の鼻下のみの黒い髭の男

大抵の白も黒の者は、二十歳前後で成長を止めその姿で死ぬが


中には、十代や中年期で

成長を止める者も少なくない あるいは突然、老化する者もいる


「まあ!!黒の王様、風の王ヴァルーダ様」


「久しぶりだな…レイアナ姫 ティエ姫に小さな愛らしいエリン姫」


「エリン姫は黒髪だが、瞳は

姉君と同じく美しい黄昏の紫色だな

姉姫同様に美しい姫となるだろう…」


「ティエ姫、長く辛い思いをさせ、すまなかった

どれだけ謝っても、謝りきれぬ


私に出来る事があれば

何でも言って欲しい


そなたは従兄弟の忘れ形見

出来る限りの事を約束しょう」


「風の王ヴァルーダ様、もったいないお言葉ですわ

ヴァルジニテ王女様に助け頂き、心より

感謝しております…」

微笑むティエ


「うむうむ・・詳しくは知らぬが

王女も何か 姫を助けるのを手助けしたらしいな


息災そうで何よりだ

ティエ姫

エリン、久しぶりだな」


「あ!王様 ヴァルジニテ王女様、お久しぶりです

姉さまを助け頂き有難うございます」

エリンは嬉しそうに笑う


「うむ、また絵本でも一緒に読むか、庭でかくれんぼを

しょうな

レイアナ叔母様は変わらず美しい」


「まあ!王女様

娘を助け頂き感謝申し上げます」


「ヴァルジニテ王女様、本当に有難うございます

私、ティエは今は穏やかに幸せに暮らしております

眠りのお茶や薬まで申し訳ない限りでございます」


「良い良い、気にするでない

我が又従姉のティエ姫は

まだ療養が必要な身だ 大事にされよ」


「ワイアット、食事を楽しみにしてるぞ

我やエリンは食べ盛りだからな…当然、菓子も楽しみにしてる

先日は間違えて果実酒を

飲んでしまったが、あれはなかなか良いな


私は酒は強いようだが

まだ子供だからな


まぁ、そちらは大人になって後の楽しみだ」


「ワイアットはゲコだったな

酒はダメか・・・ティエ姫は?」


「はい、少しなら」


「そうか、良かった

あ!姫達に我らからの贈り物だ」

一緒に来た女官達が大きな布の塊を差し出して、

荷物を広げた


沢山の絹に、絹の衣装に黄金の宝石付きの数々の宝飾品 

これまた沢山の絵本に書物などがそこにある

「受けとってくれ細やかだが、贈り物だ」

「まあ!こんなに沢山の素晴らしい物を良いのですか?」


「良いから、受けとってくれ」

「有難うございます!」


風の王ヴァルーダは三人と仲良く話し込んでる




「ヴァルーダ様登場ですね 頭にはお花は?」デイアル

「いえ この頃はご苦労が多くてありませんでしたわ

にやんこの人達や天界での茶飲み友達が増えて生えてきたようです うふふ」

白い耳がゆらん テイエ

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