この詩を評価する前に、評価する観点について語らせてください。
詩を「ポエム」と呼ぶ人と「詩」(特に「現代詩」)と呼ぶ人の間で、詩を評価する観点に大きな差があると感じます。
「ポエム」と呼ぶ人は、記された意味を追い、いいことが書かれているといい詩だと評価するように思われます。
「詩」と呼ぶ人にとって、詩においては言葉自体が鑑賞対象です。言葉は、意味をたくさん積めたからいいのだという、まるでトラックのような存在ではありません。言葉自体が芸術品・美術品です。しかも「現代詩」とつくと、過去の芸術と現代芸術が隔絶されているように、綺麗なものを置くのではなく、日常からの逸脱を目指します。それは一種の異形・怪物となります。
ここまで記して、本作品群を語れます。
本作品群は異形となった言葉を鑑賞するものです。意味は受け取りにくいかもしれません。言葉遣いも慣れない形式なので読みづらいかもしれません。しかし日常からの逸脱こそが主眼。そう思うと伝わるでしょう。
傲慢な物言いをすれば、これが「ポエム」ではなく「詩」です。