3.ゼンマイ式で溶ける氷山

うたた寝していた私の目蓋をグッピーの生き霊達がつついてる

二人の夢が出会う時間を竜胆だけに告げたのに

腹痛持ちの海から来た白鯨が

誤って飲み込んでしまったんだよ

私は水面の勾玉のような渦巻きに逃げてしまうから

あなたは悲しい血の記憶を暗号に戻してやってくださいな


二人とも目がさめたらそれぞれの部屋で

手の上の砂浜に波音を見ていた

ネジ回すようにしげしげと手のひらを見つめて

夢を巻き戻す電池はどこにあったか、

しばらく首をかしげてる

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