骨51本目 ルチャの成長
ダンジョンでレベル上げ2日目。
初日と変わらない速度で討伐。
ルチャのレベル:75
ルチャの魔力 :8080
ボーンの骨密度:8326
ダンジョンでレベル上げ3日目。
昨日よりも高速で討伐。
ルチャのレベル:86
ルチャの魔力 :9820
ボーンの骨密度:8846
ダンジョンでレベル上げ4日目。
もはや作業である。
ルチャのレベル:90
ルチャの魔力 :10480
ボーンの骨密度:9375
ダンジョンでレベル上げ5日目。
ルチャとアルだけで余裕。
ルチャのレベル:92
ルチャの魔力 :11260
ボーンの骨密度:9920
ルチャの魔力は才能を感じさせる。
素晴らしい上昇値だ。
ただ、レベルの上がりが悪くなってきたな。
そろそろ2階層に行ってみてもいいかもしれない。
「飽きたの」「飽きたのニャ」
ルチャとアルは変化に乏しいレベル上げに飽き飽きしているようだ。
今のルチャとアルには気分転換が必要だな。
「それじゃあ、2階層に行ってみるか」
「行ってみるの!」「ニャッ!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
2階層は1階層と比べて曇ってる。
空気が重く、冒険者は少ない。
亀が降ってくるのは変わらないな。
空には大きな翼を広げて、悠々と飛ぶ飛竜が大量に居た。
飛竜はドラゴンじゃない。
俺の時代だとワイバーン系と言う魔物だ。
手が翼になっており、短い足に長い顔。
鋭い爪と牙が特徴的だ。
体の大きさに個体差は少ないが、色は様々だ。
おそらく、属性に個体差があるのだろう。
攻撃魔法は種類が多そうだな。
「亀はユニークスキルで吸収する! 2人は飛竜を倒せるか試してくれ!」
「分かったの!」「ニャッ!」
3匹の飛竜が空から飛来する。
ルチャはすかさず『風の刃が飛ぶ杖』に魔力を込めて攻撃する。
この杖は伯爵から貰った魔法袋に入っていた財宝の1つだ。
レベル上げの途中で、ルチャに渡していたのだ。
飛竜は口から火を吹いたり、多数の風の刃を翼から発生させたりする。
ルチャもアルも慣れたもので、即座に魔法をぶつけて相殺させる。
そして、アルが突撃して爪で切り裂いていく。
ほんの数秒で飛竜達の翼はボロボロだ。
もうあれじゃ飛べないだろう。
それからルチャが杖から作り出した風刃の嵐が飛竜を襲う。
アルも大量の土槍を叩き込む。
あっさりと飛竜は生き絶え、3匹の飛竜を撃破。
おお、なかなか高レベルの戦いを繰り広げたな。
どっちも成長してる。
素晴らしい連携攻撃だった。
魔法の相殺も上達してる。
ちなみに俺は亀を吸収しながら観戦していた。
魔物の波動で飛竜の強さは分かるからな。
アルなら負けないと思ったが、予想よりも余裕をもって討伐できるようだ。
「素晴らしい連携だったぞ! この調子で2人は飛竜討伐に専念してくれ!」
「分かったの!」「ニャッ!」
ルチャとアルは飛竜をガンガン倒していく。
亀の魔法が邪魔しないように、俺はひたすら亀を吸収する。
俺の骨密度の上昇率が倍になる。
どうやら亀の魔物より飛竜の方が経験値が高いようだ。
それに複数で襲ってくるから経験値効率も高い。
ルチャは「どんどんレベルが上がるの!」と上機嫌だ。
俺達は周囲の冒険者がドン引きする勢いで魔物を片付けていく。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
しばらくすると、ルチャが疲れたと言うので休憩する事にした。
「飛竜と戦った感触はどうだ?」
「亀よりも楽しいの」「楽しいのニャ」
「アルの魔力でルチャの魔力を回復する事は出来ないか? そうすれば、効率はもっと上がると思うんだが」
「アルはボーンと違うのニャ。人と魔物の魔力を持ってないのニャ」
「人と魔物の魔力? 俺は両方を持ってるのか?」
「見れば分かるのニャ」
「それは知らなかった。じゃあ俺しか人の魔力回復はできないのか」
「え? ボーンは魔物なの?」
「ち、違うぞ!? 何を言ってるんだ! 俺は人間だ! 全てはユニークスキルのおかげなのだ! アル! 変な事を言うなよ!」
「アルを怒らないでなの」「ニャ……」
「ああ、怒ってすまない。じゃあとりあえず、ルチャの体力と魔力を回復しよう。ここでしっかり休憩して、無理せず飛竜狩りを頑張ってくれ」
「分かったの!」「ニャ!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
再び始まった飛竜狩りと亀吸収。
獅子奮迅の勢いで魔物を殲滅していく。
通常の冒険者に比べて100倍くらい早くルチャのレベルが上がりそうだな。
外に出る事もなく、寝るのは階段のセーフゾーン。
食事はルチャが大量に買っていた串焼き。
排泄なんかは乙女の秘密だ。
ルチャはすぐに俺のレベルを超えていった。
生きてる人間の成長が羨ましい。
俺は実際には死んでるから、成長の仕様が違うんだな。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
数日後にはルチャのレベルの伸びが悪くなってきたので、レベル上げは終了。
ダンジョンに滞在したのはおそらく15日くらい。
ルチャのレベル:148
ルチャの魔力 :18210
ここまで上がった。
もはや一流の魔法使いと言ってもいいだろう。
剣術や体術、接近戦は素人同然だが、これは仕方ない。
ちなみに俺の骨密度は『17256』まで上昇。
レベルと魔力量は変わらずだ。
じゃあ帰ろうか、というところで、驚愕の出来事が発生。
「みてみて、凄いの!」
そこには無詠唱で魔法を操り、魔力を自在に動かすルチャの姿があった。
「ボーンの魔力がルチャに流れすぎたのニャ。ルチャの魔力が変わったのニャ」
俺は言い訳をした。
「流石は俺のユニークスキルだ! はーっはっはっはっは!」
俺は思った。
やってしまった、と。
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