第13話 戦闘準備
というわけで、レーミング領のすぐ近くにある森にやって来ました。魔物を相手にする初めての戦闘です。
「緊張してきたぁ」
ゲームなどでは、チュートリアルのようなものだろうが、現実に魔物と戦うホムラはドキドキだ。
「大丈夫ですよ、ホムラくん。ピンチになる前に私が助けますので。落ち着いて戦ってください」
「はい、先生」
安心感しかない。
普段であれば、この森には冒険者しか入れない様になっている。だが、今回はエルメティアという3属性魔法使いという圧倒的強者がついているため、訓練ということでホムラが森に入ることも許可された。
「では、魔物を探しましょう。最初はゴブリンが良いでしょうね」
「どこにいるかなぁ」
ここで、ビシッとゴブリンを倒してエルメティアに格好良い姿を見せたいものだなと思いつつ、ホムラも森を進むのだった。
「ワイバーンとか出てきたりしないですよね?」
「この前のようなことが起きるのは稀ですよ。あのワイバーンは、群れを逸れてしまったのかもしれませんね。誰が倒したかは、未だに分かっていないのは、問題ですが」
あのワイバーンは、流石に稀の出来事のようだ。あれが頻繁に現れれば冒険者も厳しいだろう。
「何が出ても先生から勝てますから僕も安心して戦えます!」
「ええ、任せてください。災害級が出たとしても私が倒してみせますよ」
災害級?怖いな。そんなレベルの魔物がこの世界にはいるのかよ……
「む、魔物の反応がありますね。北の方です」
とエルメティアが杖を指す。いよいよ初戦闘だ。
「良くわかりますね。スキルですか?」
「いいえ、これは魔力を使っています。あらゆる方向に向かって魔力を飛ばして、探っているんですよ。また、後で教えますね」
魔力とは便利なものだ。魔力を防壁として、自らの前方に張る方法なども教えてもらった。魔力をどれだけ操れるかが実力に繋がると言っても過言ではないだろう。
「では、計画を。ホムラくんが相手にするのは普通のゴブリンです。魔物と戦えるかを見るので、もしも敵に、ゴブリンアーチャーやマジシャンがいた場合には私が処理しますので」
「はい」
杖を握りながらホムラも進む。
森の中で洞窟を見つけた。入り口には、見張りのためなのかゴブリンがいた。離れた場所からホムラとエルメティアはそれを覗いていた。
「魔力を飛ばした限り、あの洞窟はそこまで奥行きはありませんね。では、まずは見張りのゴブリンの相手をホムラくんにやってもらいましょう」
「行きます」
ホムラは、エルメティアに貰った杖を構え、魔力を集中させる。込める魔力が弱ければ魔物は倒せない。
「ファイヤーアロー」
ここから見えるゴブリンは2体。同時に倒すため、炎の矢を2つ出す。
そして、未だにこちらに気づく様子のない油断したゴブリンに向かってホラムは魔法を放つのだった。
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