第4話 チュートリアル

「チュートリアルをご用意していますが受けますか?」

「そうだな、頼む。」

「かしこまりました。」


ルルネットが手を前にかざすとステータスウィンドウが閉じて、真っ白だった空間が草原へと切り替わった。


「初めにステータスについてです。」


目の前に改めてステータスウィンドウが開いた。


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 プレイヤー名:ローガン (Lv.1)

 種族:人族

 HP:100/100

 MP:50/50

 STR:5

 VIT:5

 INT:5

 MND:5

 AGI:5

 DEX:5

 BP:5


 装備スキル(3/10)

 ・下級剣術:コモン Lv.1/10(AP0)

 ・下級火魔法:コモン Lv.1/10(AP0)

 ・生命力強化:コモン Lv.1/10(AP0)

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「こちらはチュートリアル用のステータスでスキルの内容や性能は実際のスキルとは異なります。ゲーム開始時には先ほどのステータスに戻りますのでご安心ください。」

「わかった。」

「はじめに、プレイヤー名の横のレベルはキャラクターレベルです。戦闘、採取、生産あらゆる行動で経験値が貯まり、一定以上になるとレベルが上がります。次のレベルまでに必要な経験値はレベルをタップすることで確認できます。」


レベル表記をタップすると黒いバーと「0/100」という値が表示された。


「レベルが上がるとBPボーナスポイントが一律で5ポイントと各ステータスが種族の特性により上がります。種族の特性は種族をタップすることで確認できます。BPはゲーム開始時点で5ポイント取得しています。BPをステータスの好きな項目に割り振ることでステータスを強化することができますが振り直しはできません。HP、MP、SPは1ポイントで10、その他の項目は1ポイントで1上昇します。」


各ステータスが種族の特性により上がるというのが種族を選んだ時のINTとDEXが上がりやすく、STRとVITが上がりにくいとかのことだろう。

各ステータスの項目の影響はこんな感じらしい。


HP:ヒットポイント

0になってしまうと、死亡となる。

死亡後一定時間内に蘇生アイテム、魔法が使用されなければ設定された復活ポイントに移動する。

死亡時には経験値半減と現実時間で6時間のステータス半減のデスペナルティが課される。


MP:マジックポイント

戦技アーツ、魔法スキル使用時に消費する。


STR:力

物理攻撃力や装備可能アイテムの重量に影響を与える。


VIT:生命力

物理防御力、麻痺や毒など身体系状態異常耐性に影響を与える。


INT:知力

魔法攻撃力に影響を与える。


MND:精神力

魔法防御力、混乱や睡眠など精神系状態異常耐性に影響を与える。


AGI:素早さ

行動速度や回避率に影響を与える。


DEX:器用さ

命中率や生産活動における品質、性能に影響を与える。



「次にスキルです。スキル所持しているだけでは効果がありません。装備にセットして初めて有効になります。装備スキル枠は初期段階で10枠で条件を満たすと装備スキル枠は増えていきます」


スキルは装備タイプだった。過去にもこういった設定のゲームはプレイしたことがあるから問題ない。


「スキル名の隣のレベルが各スキルのレベルです。SkLvスキルレベルはスキルの使用やスキルに関連する行動によって経験値が貯まります。例えば見習い剣術を持っていれば剣を持ってモンスターと戦うだけで経験値が貯まり、レベルがあがりますが、下級火魔法の経験値は貯まりません。下級火魔法の経験値を貯めるには火魔法を使用する必要があります。SkLvスキルレベルの経験値はマスクデータのため確認することはできません。スキルに合わせて試行錯誤してみてください。」

「わかった。」


ここまでは問題ないがSkLvスキルレベルの横に他のゲームで見たことがないAPの表示がある。


「その隣のAPの表示は?」

「APはアビリティポイントの略です。APはSkLvスキルレベルが上がると10取得できます。スキルはSkLvスキルレベルが上がっても強化されません。APを使って能力を伸ばすことで初めて強化されます。」

「どういうことだ?」

「わかりやすいように実際に操作してみましょう。」


ルルネットが手をかざすと下級火魔法のSkLvスキルレベルが2上昇して3になった。それと同時に下級火魔法にAP20が追加された。


「下級火魔法をタッチして選択してください。」


言われた通りに下級火魔法を選択すると別のウィンドウが開いた。ウィンドウはタブ表示で強化、魔法に分かれている。


タブを切り替えてそれぞれ確認すると強化タブには『火魔法威力上昇Lv1』や『火魔法消費魔力減少Lv1』、『火魔法詠唱短縮Lv1』などが並んでいる。魔法タブには『ファイヤーボール』、『ファイヤーランス』、『ファイヤーウォール』とよく見る魔法名が並んでいる。そんな中で『ファイヤーボール』だけがカラー表示で取得済みの表示がされていた。


「アビリティには強化、戦技アーツ、魔法があります。基本的には強化のみ、強化と戦技アーツ、強化と魔法の組み合わせです。強化はパッシブアビリティ、戦技アーツ、魔法はアクティブアビリティです。では実際に操作してアビリティを取得してみましょう」


ルルネットの指示通りに操作してAP3を消費して『火魔法消費魔力Lv1』を、AP5を消費して『ファイヤーランス』を取得してみた。すると魔法タブの方は変化がないが、強化タブは『火魔法消費魔力減少Lv1』に矢印表示で『火魔法消費魔力減少Lv2』が追加された。


さらにAP6を消費して『火魔法消費魔力減少Lv2』を取得すると『火魔法消費魔力減少Lv1』の表示が消え『火魔法消費魔力減少Lv2』だけが有効になった。そして『火魔法消費魔力減少Lv3』が新たに取得可能アビリティとして追加された


「このようにしてスキルを強化していきます。同系統のアビリティは最も効果が高いものが有効となり、一段上の強化が新たに取得候補に補充されます。SkLv《スキルレベル》の最大値はスキルごとに異なり、最大にしてもすべてのアビリティを取得できるだけのAPは集まらないのでどのアビリティを取得するのかが重要になります。当然APの振り直しはできません。アビリティの取得に必要なAPはそれぞれことなり、上位のアビリティ取得にはLv1で取得に必要なAP×取得するLvのAPが必要になります。」

「なるほど。やり直しはできないがスキルをカスタマイズできるのは面白いな。」


同じように下級剣術、生命力強化のレベルを上げてもらい強化する。


見習い剣術には強化と戦技アーツがあり、強化の『剣装備解放』が有効になっていた。見習い剣術のアビリティには『剣速上昇Lv1』や『剣攻撃威力上昇Lv1』、『剣耐久減少値減少Lv1』などが

戦技アーツには斬撃を飛ばす『スラッシュ』や威力を高めた振り下ろしの『パワースラッシュ』などがあった。


生命力強化は強化タブのみで『最大HP増加Lv1』や『HP回復量増加Lv1』などがあった。


「スキルは条件を満たすと『進化』『派生』『統合』が発生します。条件は様々でスキルレベルだけではありません。」

「なんとなくわかるけどそれぞれの違いは?」

「『進化』はスキルが上位のスキルに置き換わります。なので元となるスキルは消失し、進化後のスキルでレベルは1から始まりますが取得済みのアビリティ、戦技アーツ、魔法は引き継がれ、取得可能なアビリティが新しくなります。また進化前に未取得だったアビリティの内、戦技アーツと魔法は取得できなくなります。が強化は引き続き新規取得、アップグレードができます。」

「これは大体イメージ通りだな。」

「『派生』は元となるスキルに関連した上位スキルを新しく取得します。元となるスキルはそのまま残りますが派生したスキルにアビリティは引き継がれません。」

「元のスキルの能力を受け継がないのか。派生したスキルを使うメリットはあるのか?」

「基本的に派生したスキルのアビリティは元のスキルのアビリティより強力な物が多いです。また、SkLvスキルレベルの最大値も高い傾向があるのでより多くのアビリティを取得できます。なので取得するアビリティにもよりますが最終的には元となるスキルより強いスキルとなります。」

「なるほど。」

「『統合』は複数のスキルが一つにまとまります。進化と同じく元となるスキルは消失し、取得済みのアビリティは引き継がれますが統合後のスキルでレベルは1が上限で以降強化はできなくなります。」

「これはのメリットはスキルの装備枠を開けることか。」

「そうです。『進化』『統合』は元スキルが消失し新しいスキルとなりますので未使用のAPは破棄されます。なので『進化』『統合』前にAPを使い切ることをお勧めします。」


APが破棄されるのはなかなか重要だ。アビリティの取得状況では残りAPで取得できる物がなくて破棄しないといけない状況も出てくるかもしれない。


「ちょっと複雑だけど大体わかった。スキルについてはプレイしながら慣れていくことにする。」

「承知しました。では次に戦闘についてのチュートリアルを開始します」


それから武器を使った戦闘と戦技アーツ、魔法の発動方法を教わり、チュートリアルを終えるとゲームを開始した。


「最後にメニューからARO公式HPホームページと公式掲示板にアクセスできます。どちらもゲーム内からしかアクセスできませんがHPホームページにヘルプページと問い合わせフォームがありますので何かあればそちらをご活用ください。それではどうぞAROをお楽しみください。」

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