第4話 完
「格上の公爵家とのお見合いで緊張し心細いから一緒に会って貰えないか? 良かったら婚約者も連れて2対2で」
妹も二つ返事でOKしました。こういう時は馬鹿で助かります。
-- そして迎えたお見合い当日 --
侯爵令息は私と目を合わせようともしません。そりゃ自分がフッた相手が目の前に居たら気不味いですよね。そして妹はと見ればそれはもう嬉しそうに目を輝かせています。
私の思惑通り、妹は全力で媚びを売っています。やはり妹の頭の中は侯爵より公爵なんでしょうね。お目出度い限りです。
私は「今日の見合い相手は私なんだから、あなたはあまり出しゃばらないように」と軽く嗜めながら心の中では「いいぞ、もっとやれ」とエールを送っていました。
その間、侯爵令息の顔は終止引き攣ってましたが、相手が公爵家という事で何も言えないようですね。フフフ、良い気味です。
お見合いの結果...私より妹の方が良いと公爵令息から返事がありました。妹はさっさと侯爵令息をフッて公爵令息に乗り換えました。
計画通りです!
公爵家との縁を結び大喜びの両親と妹を尻目に私はそっと家を出ました。
~~ 一年後 ~~
私は伯爵夫人として、愛する夫と産まれたばかりの可愛い息子に囲まれ、幸せな日々を過ごしていました。
修道院? あぁ、あれは家を出る為の方便ですよ。復讐の計画を相談している内に今の夫と親密になりましてね。
『修道院になんか行かなくていい、ウチにお嫁においで』
と言われた時は嬉しくて泣いてしまいましたよ。苦あれば楽ありとはこういう事を言うんでしょうね。
あらあら、それの真逆を今まさに体現している元妹が、今日も泣きついて来たようですよ。
「お姉様、あの男をなんとかしてっ!」
そう、あの公爵家嫡男はとにかく嫉妬深い、その上粘着質で独占欲が強い。
軟禁? 監禁? されたりするそうで。それ故、女性の方が耐えられなくて何度も破談を繰り返していると。噂は本当だったみたいですねぇ。まぁそれを知っていたから元妹を焚き付けたんですけどね。元両親と元妹は知らなかったようですが。
元両親の所にも何度も泣きついているとか。でも相手が公爵家だからあまり強くは言えないみたいですよ。あぁそれと例の侯爵子息を養子に迎えたそうですね。せめてもの償いのつもりなんでしょうか。関係無いんでどうでもいいですけどね。せいぜい家督教育頑張って下さいな。
関係無いと言えばこの五月蝿い元妹も今は赤の他人なんで、公爵家に連絡して引き取って貰いましょうかね。あぁ、そうだ。最後に一言、
ざまぁみろ!
~ fin. ~
妹にまた婚約者を奪われましたが、今回は計画通りです。~妹に全てを奪われた姉の華麗なる復讐 真理亜 @maria-mina
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