本日は転生ライフを満喫中なのですが、どうやら雲行きが怪しくなってきました
「洗濯物が綺麗に干せた!
今日も心地よい風が吹いてるなぁー。こういう日はお昼寝に限るよな」
最近は穏やかな日々が続いていてます!
ここには人間を襲うゾンビなんていないし、心配する必要がないからつい気が緩んでしまう。あっ、でも俺ゾンビと一緒に暮らしてたんだった!
それにしても、なんで周りには墓地しかないんだよ!? これじゃあ、心がちっとも休まらないじゃん。こんなご時世だからってわかるけど、流石にダンゴムシとかアリのお墓までは要らないでしょカノンさん!!
俺の心は荒ぶるばかりだ……。
こんな時は森から出てくるマイナスイオンをありったけ吸って、寝転んでから空を見よう……。流れて行く雲を見てると俺の心が段々落ち着いてくるのがわかった。
「このままずっとココにいてもいいかもな……」
「律様、何ヲ呑気ナ事ヲ言ッテルンデスカ!」
「うわぁ、びっくりした! 久しぶりに出てきたと思ったら、急に驚かせなでよ
そういえば、KAGUYAと話すの凄い久しぶりだ! あの悠音の一見以来かもしれない。でも、久しぶりに出てきて小言を言われるとは思わなかった。本当、そーゆう所だけは俺の
「スミマセン。デスガ、人間ノ人口ハドンドン減リゾンビノ数ノ方ガ上回ッテイマス! 今ヤ人間ノ人口ハ千人以下デス。イツココ二ゾンビガ襲ッテクルカ分カラナイデスヨ」
そう言われとぐぅのねも出ないな……。
確かに俺も悠音の行き過ぎたスキンシップに何度か殺されかけた事がある。
あの時は一回だけ向こう岸で死んだ筈のおじいちゃんとおばあちゃんが優しい声で俺をお迎えに来てくれたなぁー。
「律様、我々ニハ現実逃避スル暇ナンテナインデスヨ! ソレニ、律様ガ戦ッタ研究施設カラクリーチャーガ大量二放タレテイマス。世界滅亡ガ直グソコマデ来テイテ時間ガアリマセン……」
世界滅亡が直ぐそこまで来てるとか、一気にスケールが大きくなってきたよ!
今の俺に何が出来るんだろか……?
俺にはこれといった特別な能力は無いし困ったなぁー。でも、最近は主婦力がメキメキと上がってるし、今じゃあゾンビとも友達だからこれって意外と最強の能力なのでは?!
俺は最強の主婦力と友達のゾンビの力を駆使して世界を救ってみせる!
とは言ったものの、やっぱり使い道わからないや……。
「
「ソンナ事ダロウト思ッテイマシタヨ!私ハ人類ヲ救済スルタメニ作ラレタAIデス。例エ律様ガポンコツデ、コノ世界ノ主人公ジャナクテモオ助ケシサポートスルノデオ任セ下サイ」
俺のKAGUYAがいつにも増して頼もしい! あれ? こんなキャラだったかな? ただ少しだけKAGUYAにバカにされた様な気がするのは何でだろう……。
けど、今はそんな事言ってる場合じゃない!
「それで、具体的にどんな事するんだ?」
「ソレハマダ決マッテイマセ!」
「決まってないんかい!?」
「ヤル事ハ決マッテマセンガ、ヤリタイ事ハ有リマス……」
KAGUYAのやりたい事ってなんだろ?
俺には想像もつかないけど、AIでも何かをやってみたいって思う心があるんだな……。
「で、そのやりたい事って何なの?」
「マズ始メニ私ニハ一部記憶ガアリマセン! 私ハ調べ物ヲシテイルウチニ自分ニハ存在シナイ記憶ト失ワレタ記憶ガ有ル事ガ分カリマシタ。
デスガ、アノローズグレイ社ノ研究施設ニ行ッタ時二アル人ノ名前ガ浮カンデキマシ。カズキ・タチバナ博士。
コノ博士二私ハ会ワナイトイケナイ気ガシマス……」
カズキ・タチバナ博士……?!
この世界でフルネームがあるなんてこの人珍しい! 俺には名前しか無いのに、この博士って人はどんな人なのだろうか?
「そんな珍しいフルネームの人俺は聞いた事ないよ。もしかしたら、カノンさんなら知ってるかもよ」
「ソノ事二ツイテハ、イズレカノン様二聞コウト思ッテマシタ。ソレトモウ一ツ、律様二聞イテオキタイ事ガ有リマス」
「別にいいけど……」
急に改まって
何か変な事を聞くんじゃないだろうな……。もしかして、ハレンチな事だったらどうしよう?!
「私ハ、ハレンチナ事ハ聞キマセン」
「やっぱり俺の心読んでるじゃん!
AIなのにハレンチだ」
「ソンナ事ハ横二置イトイテ下サイ!
私ガ聞イテオキタイノハ、今ノ段階デゾンビ二ナッタ人間ヲ元二戻ス薬ハ存在シマセン。律様、世界ヲ救ウトイウ事ハ今イルゾンビヲ全テ排除シ正シイ世界ノ形二スルトイウ事二ナリマス。貴方ハ、詩様ヤ悠音様ソレニカノンサンノ旦那サンヲ殺ス覚悟ハアリマスカ?」
俺が詩や悠音を殺す覚悟だって……。
何言ってるんだよKAGUYA、そんなの無理に決まってるだろ……。
友達と好きな人を殺すだなんて冗談でも言っちゃダメだよ。ふざけた事を言って、頼むから俺を失望させないでくれよ……。
「律様、世界イハ常二誰カノ犠牲ナクシテ平和ニスル事ハ出来マセン。例エソレガ友達ヤ好キナ人デアッテモデス……」
もしそれが世界の運命って奴なら変える事は出来ないかもしれないけど、俺には関係ない。俺はもう大切な人達を誰一人失いたくない。だから俺は……。
「それが運命というなら俺が変えるよ! 人間とゾンビが共に生きていける世界に変えてみせる。だから、皆に宣言してくる!」
俺なら大丈夫だ! だって、あのゾンビの悠音とも友達になれたし、詩はゾンビになっても詩だったのだから……。
きっと、今俺が世界の運命を変えなダメなんだ!
俺がリビングに行くとちょうど詩と悠音がいた。詩はお昼ご飯の準備をしていて、悠音はいつも通り音ゲーに勤しんでいた。俺の心は決まった!
「皆聞いてくれ! 人間を救いたいのは勿論だけど、俺は詩や悠音がこの世界で生きていけるようにゾンビごと世界を救いたい! 急にごめんな、俺凄くむちゃくちゃな事言ってるよな?」
「私はどんな道を歩もうとも律君の意見にいつでも賛成だよ」
「僕はむちゃくちゃくらいが律ちょうど良いと思う。親友の僕だからわかる事だがなっ!」
「皆、ありがとう……」
そうと決まれば……よーし、名付けて皆でゾンビを救って次いでに人間を救っちゃう大作戦開始だ!
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