私の旦那様はゾンビ?

 とうとうカノンさんの家に悠音ゆうとと二人着いてしまった。今、カノンさんの家でお世話になってるけど、俺あの人の事実はまだよくわからないんだよな。けど、一様お世話になる人の家たがら迷惑かけちゃいけないよな。悠音にそこんところはしっかり注意しておこう!


「ここの家は俺達が今お世話になってるカノンさんのお家です。悠音、くれぐれも失礼がないように注意してくれよな!」


「はーい」


「じゃあ、玄関開けるからな」


俺が玄関を開けると丁度、目の前に誰かが立っていた。その立っている人物ををよーく見てみると、エプロン姿で眼鏡を掛けた華奢な男の人間……いや、ゾンビが俺達を何故かお出迎えしてくれていた。俺は一言も発しず、黙ったまま玄関の扉を閉めた。


「俺今、何か見ちゃいけない物を見た気がする……」


「急にどうしたんだよ? 律が入らないなら僕が先に入るよ」


「おい、悠音止めろ!」


俺を押し退けて玄関を開けた悠音ゆうとだったが、俺の時と同じ様にエプロン姿で眼鏡を掛けた華奢な男のゾンビがまだそこに立っていた。


「すみません、僕とした事が家を間違えました!」


悠音はそれはそれは丁寧に玄関を閉めた。けど、おかしいな……悠音の奴意外とあんまり驚いてないように見えたのは気のせいだろうか?


「おーい、悠音大丈夫か?」


「この家は既にの手によって、悪の手先に変えられてしまったようだ! フフフ……やっと、僕の本気の力が出せる時が来たようだ!」


えっ、いきなり中二病スイッチが発動したよ! てか、ネクロマンサーディーヴァって一体何なんだよ?!


「来るな来いゾンビども!」


「悠音、言っとくけど君も一様ゾンビだからね」


いきなり音も立てずに玄関の扉が開いた。そのせいで、俺より前にいた悠音に悲劇が起こった。悠音は開いた扉の衝撃が直撃し、何回も宙を回転しながら見事に吹っ飛び地面に落ちた。


うわぁ?! あれは、かなり痛そうで見てられないよ……。


「おかえり律君! おつかいは大丈夫だったみたいだね。おや、何かに当たった気がするのは気のせいかな?」


「カノンさんめちゃくちゃ当たりましたよ! 悠音ゆうとがほら見るも無惨な姿になってしまわれた……」


「どうやら、この世界で僕が目覚めるにはまだ早すぎたようだ……バタッ」


「ごめんごめん! つい勢いよく玄関を開けちゃったよ。おーい、そこにいる君大丈夫かい?」


悠音は相当痛かったらしく返事もせず、腕ををプルプルと振るわせながらなんとか上げた。そして、悠音は手を握りしめ親指を立ってて言った。


「I’ll Be Back……」


「彼、頭以外は大丈夫みたいだね!」


なんでだろう? 俺は悠音に掛ける言葉がどこを探しても見つからないよ。普通にしていれば多分良い奴何だろけど、中二病で自分のイメージが損なわれてる事に早く気がついてくれ! 俺にはそれしか言えないよ。


「って、大事なのはそこじゃなくて!

それより、今カノンさんの家にエプロン姿で眼鏡を掛けた男のゾンビが居たんだけど……」


「あぁ……彼の事ね。そういえばまだ紹介してなかったね! ねぇー、ちょっとこっちに来て~」


カノンさんに呼ばれて、さっきのエプロン姿で眼鏡を掛けた華奢な男のゾンビが出てきた。やっぱり、どっからどう見ても普通のゾンビだ! そのゾンビは俺達に向かって丁寧に挨拶をしてくれた。


「あっ、どうも! 今はゾンビをやっているカノンの旦那です。さっきは森へお出かけしてて会えなかったけど、君が律君だね。よろしく!」


「そうなの、彼は私の旦那様で今はゾンビなのよ! ちなみに新婚ホヤホヤです」


ゾンビがカノンさんの旦那様!?

いや、それよりか今の言い方だと普通に職業先がゾンビですみたいだよちょっと!!


「でも、何でゾンビが旦那な訳なの?」


「これ話すと長いやつだから、お茶を飲みながゆっくり話すから中に入って!

そこで、倒れてる君もね」


悠音ゆうとは立ち上がったと思ったら、いつの間にかすぐ俺の隣りの位置に着いた。


「何だろ……。俺の固定概念がゾンビ達によって、どんどん崩されていく……」


「律よ、人は固定概念を崩して大人になって行くもんだろ!」


「いや、普通は崩せなしそんな大人になんかなりたくないはっ!」


「律は真面目だな……」


皆で家の中に入り、窓際にあるテーブルの椅子に腰を掛けた。カノンさんは俺達に紅茶とお茶菓子を出してくれた。ゾンビの悠音と同じくゾンビでカノンさんの旦那さんと人間の俺とカノンさんという奇妙な組み合わせだった。その奇妙な組み合わせで、午後のお茶会をするかのように皆で喋りしだした。


めちゃくちゃこの光景がおかしいと思うのは俺だけなんだろうか? 皆、普通に当たり前のように馴染んでるし、馴染めてないのは俺だけ……。


「話す前に、律君が連れて来た君は誰かな? 私はね、お医者さんのカノン先生です! こっちが前にも言ったけど私の旦那様です」


「どうも、カノンの旦那です……」


「僕は音ゲーをこよなく愛する悠音です! 律とはさっき親友になったはがりなんだ」


「あぁ、思い出した。彼処で毎日踊ってた少年か!」


「踊りじゃないです。あれは、舞いです……」


あれ、悠音の奴いつもの中二病感がまったく出てないし、照れてモジモジしてる。これじゃあまるで、年相応の普通の少年その者だよ。ひょっとして、大人相手だと中二病も発動しないのか?


「律君は本当に面白い人達を連れてくるね。君の事がもっと知りたくなったよ。教えてくれるかな律君の事?」


「えっ、俺の事ですか?!」


急に話せと言われるとなんか恥ずかしけど、俺は今まで起こった事を転生についてだけは省いて皆に話た。皆な真剣な顔付きになって聞いてくれたり、時には笑ったり、話終える頃には皆号泣していた。


「うんうん……律君は色々と苦労したんだね。最近私涙脆くって、もうちょっとティッシュ取ってくれる」


「律、大丈夫だ! 死なない親友の僕が傍に付いているからな」


カノンさんや旦那さんが泣くのはわかるとして、あの悠音ゆうとまで泣くからびっくりした。死なない友達は流石にちょっと無理だけど、皆が聞いてくれたお陰で俺は少しだけ気が楽になった。


「律君は全然ダメじゃないよ! 人より能力は劣るし、これといった特殊能力はないしダメな部分が目立つけど、ちゃんと自分自身を乗り越えたと私は思うよ。

ダメなままだったらきっと皆な見向きもしなかっただろうけど、今ここに居る私達も律君の前向きに頑張る姿に不思議と惹かれてるのかもね。人間もゾンビにも含めてね。でも、意外とゾンビに好かれる能力があったりして?」


「ゾンビに好かれるのちょっとやだな……。でも、カノンさんが言ってる事褒めてるのか貶されてるのかよく分からないけど、一つだけわかった気がするよ。俺、自分でダメって思いすぎてて、本当にダメになってたかもしれないって今になってやっとその事に気がついたよ。だから、気づかせてくれてありがとう!」


「私も喜んでいいのか分からなくなってきたよ! まっ、ゾンビが可笑しのは今に始まった事じゃないけどね」


「そうなんだよ! 忘れてたけど、この街変わってるゾンビ多すぎだよ。一体全体どうなってるの?」


「っとその前に晩ご飯の時間だ!

その話は長いからまた今度にしようね。今日は律君に親友ができたお祝いに宴だ」


「姉御ありがとうございます!」


えっ、俺と悠音とが親友ってもう確定なの?! だって、ゾンビだよ。いや、カノンさんの旦那さんもゾンビだけど……。人間とゾンビが上手くいくはずなんてある訳ないよ。そんな事って、普通は何処にもあるはずがないのに……。


もう、何なんだよこれ!!

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