秘密基地のワクワクドキドキ感はアトラクションの乗り物に乗った時のそれと似ている!
「ん? 誰もいないじゃんか?」
凄いや! 地下にこんな広い空間があるなんて、俺はうっとりと見惚れてしまっていた。
部屋の広さはだいたい20畳くらいあり、簡易的なキッチンに大型テレビ、中央にあるのは楕円形のテーブルとゆったり座れるソファー、おまけにテレビの両サイドにある棚には漫画やフィギュア、ボードゲームなんかもある。
そして、俺が一番好きなゲーム機と様々なゲームタイトルが勢揃いしていた。中には俺が遊んだゲームタイトルもチラホラあった。
ここはまさに楽園だな!
それと、あと装飾品や壁の飾り付けもナイスチョイスだ!
その装飾品をよくよく見てみると、テレビの両サイドの壁には様々なゲームや漫画のポスター、あと沢山の人が写っている写真なんかが飾ってあった。
それと、テレビの真上にデカデカと飾ってあるすごく歴史を感じるタペストリーがこの部屋の空間をいい感じに仕上げている。
あと他に気になるとすれば、両側に同じような造りの扉が4つあることだ! 他の部屋の中はどうなってるんだろか? 気になるところだが……。
でも今は、この感動を誰かに伝えずにはいられなかった!
「この秘密基地かっこいいな!」
「そうだろ! この秘密基地の良さがわかるかるなんて、お前見かけによらず良い奴だな!!」
思いのほか俺と
いきなり一番奥にある右側の扉が開き中から人が出てきた。
出てきたのは少し太り気味の青年とガタイのいい背の高い青年だった。二人は神妙な面持ちで何か言い争いながら部屋から出てきたのだった。
あっ、こっちに気がついた!
少し太り気味な青年が俺たちの方に向かって来た。なんだろうって思ったけど、俺には目もくれず詩の方へまっすぐと行き心配そうな声で彼女に言った。
「詩、僕たち凄く心配したんだよ。
君のことだからまた、自家用発電機で
「ごめんなさい。でも、こうして
詩はどうやら機械の類は苦手らしいみたい。そんでもって、これ以上ガミガミと文句を言われない様に詩は響の後ろに隠れてしまった。
「詩はほんっと、たっくんが苦手だよな!」
「苦手じゃないもん! お母さんみたいに言われるから、嫌なだけだもん」
少し太り気味の青年はたっくんと呼ばれているらしい。その青年は、やれやれ詩ときたらとでも言いたそうな態度だった。
そういえば、もう一人青年がいた事をすっかり忘れて! そのガタイのいい背の高い青年が壁に持たれかかれながら俺の方へ目を向け、皆に向かって小さな低い声で言った。
「そこにいる奴は誰なんだ?」
「おっ、忘れるところだった! で、お前なんでここに居るんだ?」
えぇぇぇぇーーーー!?
しかも、さっきまで秘密基地について楽しく話した仲なのに急に何があったんだよ!
あぁー、ちょっと胃が痛くなって来た。
「もう、皆で寄ってたかって責めないであげて! 律君が不安がるじゃない」
ありがとう詩!
そうなんだよ、成り行きでここまで着いて来ちゃったけど俺皆が思ってるよりめちゃくちゃ不安なんだよ……。
「あっ、ごめんごめん不安がらせちゃって! じゃあ、僕たちの方から自己紹介させてもらっていいかな? 皆それでいいよね!」
たっくんと呼ばれる青年の言葉に、その場にいた全員が頷きあった。
「じゃあ、まず初めに言い出しっぺの僕からいくね! 僕の名前は
たっくんは次にガタイのいい背の高い青年にバトンタッチした。
「俺の名前は、
俺もそうだと思ったよ。直人さんはそうそうに切り上げ、次の番の人に回した。
次は詩と響のどっちだろと俺は思ったけど、二人ともすでに自己紹介は前にしてくれたからどうするんだろう?
「私は皆より先に律君に自己紹介が済んませてるか響、後は任せた」
「じゃあ、最後はオレなっ!
前にも名乗ったかもしれないが、オレはこのメンバーでゾンビ退治のチームを組んでて、リーダーをやってる
お前を仲間に入れてやってもいいが、どうする?」
いやいや、チームっていうのは初耳だよ。薄々気づいてたけど、ここに居る人達はみんな仲間なんだ。
仲間か、ちょっとうらまやしいな……。
ん? でもちょっと待って……ゾンビ退治ってどう言う事? ゾンビを片っ端から倒していく集団なのか、ヒィー怖い!
そんな人達の仲間に加わるなんて、心臓が幾らあってもたりないよ。それにチームっていうくらいだから、具体的にゾンビ倒す以外何する所なんだよ!
そこん所入る上で一番大事な説明し忘れてるよこの人達は……。
あぁー、もうどうればいいんだ俺?
仲間に入るべきかどうか誰か俺の変わりに答えてくれ?!
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