触手プレイヤー

シャノン達は次に都の女性側勢力の話を聞きに行く事にした。


そのことを男性側のリーダーに伝えると慌てて止めに掛かってきた。

「まずいですよ!あなたのような少年が訪れたら、都の連中に骨の髄までしゃぶりつくされてしまいます。」


腕っぷしで負ける気はしないが、調停に来たのに荒事になるのは確かに戴けない。

正直人魚族は美人だらけというので、ハーレムを味わってみたい気もするが、原住民と性行為したら重い処罰を食らうし、こんな形で童貞卒業は嫌だ。もっと純愛で幼なじみの黒髪で清楚な子の初めてを味わいたいそう思った。

どうやらシャノンは日本のコンテンツにのめり込みすぎたでせいで色々拗らせてしまっていようであった。


この件に対しての対策は簡単で、要は男が訪れるのが不味いから女の体で行けばいい話、その点に関しては問題ではなかったのだが…



「あのさ、また俺っちが化け物と勘違いされたらたまんねぇから宇宙船で待機してていいか?

しかもあっちはアポとってないから突然行ったらヤバイ事になる気がするし。」

シャノンが単独で行く事を了解した後、モッズはとぼとぼと宇宙船へと向かっていった。

ここ最近の自分の姿へ反応でわりとショックを受けていたらしい。


モッズと別れたシャノンは女の体に入れ替わり、教えてもらった都の方向に単独で向かって行った。




都の近くまでたどりつくと何やら叫び声が聞こえ、大きな戦闘音が響いていた。


「このチィトカア共を都に入れる訳にはいかない!

絶望的な状況だが、アリエル様が来さえすればどうにかなる。

皆のもの全力で食い止めよ!」



チィトカアと呼ばれていた禍々しい甲殻の巨大蟹は十数匹で数人の槍を持った女性と戦闘をしていた。

女性達は人魚族の女性であろう…蟹に対してかなり苦戦しているようで正直あんな槍では歯が立たないように見えた。

そしてなんという事だろう、シャノンの推理通り、チィトカアは3m程もある巨大蟹であるようだった。




女性の一人がハサミに捕まり押し潰されそうになった瞬間、突如上空から人影が現れ巨大蟹をバラバラにした。


スタッとヒーロー着地をしたその人影は背中越しに語る。

「通りすがりのヒーローだ。助けに来たぜ。」

銀髪の少女はかっこよく参上した。

この着地はマー〇ル映画を違法視聴して得た知識、宇宙にはさすがにD社の著作権の魔の手は伸びていないのだ。


「お前はもしや異星人、また我々を攫いにきたのか!

ふざけるな、わざわざ助けてまで貴様らは…奴隷になる位なら死んでやる。」


せっかく格好よく助けたのに首を掻っ切ろうとしたので慌てて止める。

シャノンが少女だと分かると、その女は戸惑ったような顔をし自殺を思いとどまった。

「あなたは、人魚族ではないようですが…⁉っつこのチィトカア共め。」

無法者に銀髪美少女がいるという発想はなかったようで、この姿のおかげで警戒心は薄れたようであったが、そうこうしている間に巨大蟹に囲まれてしまった。


バラバラにされた仲間を見たせいか近づいてこない。

一定の距離を保っていた数匹の蟹がなんと高水圧のビームをシャノンに放ってきた。

しかし体を吹き飛ばす事なく、見えない膜のような物に当たり霧散していった。


「残念だったな。俺達グランディオは常にシールドを張ってるんだ。

特に遠距離攻撃は効かねぇよ。」


グランディオは様々なシールドを発生させる装置を標準装備をしている。

これによって熱を防いだり、水中や宇宙空間での活動が可能になったり、銃弾を防いだりする事が出来るのだ。

普段活動する上でもっとも警戒すべきなのが遠距離狙撃による暗殺であるので、射撃対策のシールドを常に張っているのが常識であった。


するとシャノンはビームライフルを手元に転送してくると次々と蟹を正確な射撃で屠っていった。

グランディオは体だけでなく脳も弄られて生まれてくるので、射撃の腕も一流であり、熱攻撃のビームであれば硬い甲殻を簡単に貫通する。

全滅させた後、あっけにとられている女達に話しかけようと近づくが、突如として一人の女が叫んだ。


「まずい!こんなに一か所に死骸があるとあいつが…」


突然シャノンは水の中から伸びてきた長い触手に巻き付かれた。

すると水面から巨大なタコが現れて、両手両足をがっしりホールドされて持ち上げられるとなんともあられもない姿になった。

現れたタコはシャノンを食べようとはせず、蟹を食べ始めたのでおそらく死骸のにおいに釣られてやってきたのであろう、こちらに注意が向いていない内に触手から抜け出そうと藻掻くがびくともしない。


「いやっ!らめぇぇ!なんで俺がエロ要因になってるの⁉」


こういうのはヒロインの役目だ。

普通なら自分は他人の触手プレイを興奮しながら見る立場だろうと心の底から思った、だってハーレム主人公の特権だろ。


正直その姿と喘ぎ声は超エロく、下にいる人魚達は顔を真っ赤にしている。

「あの異星人は強い上にあんな幼いのに女としての色気も兼ねそろえているのか。

我々人魚族など様々な面で足元にも及ばないな…」


おいお前ら助けろよと思いつつ、モッズに通信を繋げた。

「もももモッズ、俺を助けてくれ!このままだと何か失う気がする。」


「おいおいシャノン、お色気漫画みたいな展開になってるな。

こんなレアな展開あるか?食われそうになったら始末するからそれまで映像を録画しておくぜ。」


こいつらなんなんだ?仕方がないからちょっと危険だが最終手段を使うおうとした瞬間───人魚族が叫んだ。


「アリエル様!いらっしゃってくださったのですか!」


そこにいたのは羽衣のような薄いドレス着た幼い人魚族の少女がいた。

少女は折れそうな細い手足で体も小さかったが凹凸ははっきりしてスタイルは良い。

顔は綺麗で髪短く、気弱な感じでなんというか全体的に弱弱しい印象があった。


少女はタコに向けて手をかざした。


その瞬間タコの全身に水の刃が発生し全身を切り刻み、バラバラと肉片が落ちていく。


シャノンは何が起きたか分からないまま地面に叩きつけられると、少女は目の前に現れた。


「一応助けたけど…貴方は悪い人?」


シャノンは小さな少女の未知の力による恐怖を覚えつつ、その場にいた人魚族に自分がここに来た理由を説明したのであった。

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