第22話 慣れない視線


「ふぅ。」

マジで疲れた...一年ぶりの本気の運動だったからな。

一回戦を5-0で勝利した蒼は水道の水を頭にかけて先ほどの一回戦を振り返っていた。

「いやあ、さすがっすね!蒼先輩!」

「てめえのせいだ!馬鹿野郎!!」

今回蒼が本気を出さなきゃいけない状況を作った犯人、魁人はそんな蒼を隣で冷やかしている。

「おーい、すごかったね!さっきの試合!」

蒼と魁人が水をかけあっているとそこに興奮気味のヒナとエインがやってきた。

「蒼様!すごかったです!これも帰宅部で毎日頑張っているからですね!」

エインが目を輝かせて蒼を見る。

そういえばそういう設定なんだった。

「お、おう!まあ、これぐらいは帰宅部として当然だな!」

魁人、ヒナ、そんな目で俺を見ないでほしい。俺は少ししか悪くないのだ。

「まあ、それはそれとして。さっきから皆蒼の話で持ち切りだよ!」

ヒナは十分俺を見下すと一度話題を変えた。

「だからさっきからちらちら見られてんのか、俺たち。」

魁人が納得の顔をする。確かに蒼も先ほどからいくつかの視線は感じ落ち着けずにいた。

魁人とエインとヒナは皆顔がいいせいか他人の視線には慣れているようで特にものおじしている様子はない。

「そ、そんなことより!昼飯食いに行こうぜ!?」

周りからの視線に耐えられなくなった蒼は3人を強引に教室まで連れて行った。


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