第19話 蒼様危機一髪
「はあ、はあ。」
「つ、疲れました。」
蒼とエインはぎりぎり開会式が始まる前に教室に到着することができた。
そんな疲労MAXの二人のところに魁人とヒナがやってくる。
「おいおい、いっつも10分前到着が当たり前の二人がこんな時間なんて珍しいな。」
「ナイスガッツだね!」
話しかけられた蒼とエインはなんとか息を整えて席に座った。
「ああ、今日に限って二人とも寝坊しちまってさ。」
「あいつ今、二人で寝坊って言ったか?」
「ああ、言ったな。」
「もう、やっちまうか?」
「いや、そういうときもあるだろ。」
俺が寝坊の話を出した瞬間周りの男どもが目をギラギラさせこちらを睨んできた。
今かばってくれた人マジでありがとうございました。
「私としたことが蒼様の隣で寝ていたにも関わらず、申し訳ありませんでした。」
それを聞いた瞬間周りの男どもから不気味なオーラを感じた。
「さて、どうする?」
「俺、人が来ない山なら知ってるぞ。」
「じゃあ俺はスコップを。」
「俺は人数分のコートを。」
「ほかのやつらにも手伝ってもら」
「いやー、困ったもんだよな!隣の部屋で!寝てたのに二人とも寝坊しちまうなんてさあ!!」
蒼は事実をごまかそうと必死に声を張り上げる。
てかさっきかばってくれた人一瞬で裏切ったな、おい。
「?いえ、昨日は蒼様と二人で」
「おおーっと!エイン!もう少しで開会式始まるからグラウンド行こうぜーー!!!」
蒼は電光石火の早業でエインの口を押えると教室の外までエインを運んで行った。
「ふーーん。」
「どったの?魁人。」
ヒナが魁人の顔をのぞきそう尋ねると魁人は顎に手を当てる。
「いや、別にー。」
ヒナは不思議がった。
そんなにやにやして何もないわけがないと。
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