第10話 三国

 十三駅から宝塚方向に行く電車に乗って一駅目が三国駅である。

 子供の頃、悟郎は、よく芳雄を三国に連れて行った。三国駅に着くと改札口を右に出て、左方向に歩く。そのまま真っすぐに進むと神崎川の堤防に出る。川の向こうは庄内だ。川の手前を右にゆく。そこに雀荘がある。その雀荘の経営者が悟郎の知り合いである。長村千代さんだ。悟郎は、マージャンをしない。しないけれど雀荘に行く。長村さんは、店を運営し管理する人で、畳の六畳くらいの部屋にいる。悟郎は、その部屋に入って長村さんと話をする。津田は、二人が話しているとき、その部屋にある本を読む。週刊誌や雑誌がたくさんある。普通の本もある。マージャンのお客さんが読むために置いてあるのではないだろうか。


 三国からの帰りに、十三駅で降りて、東側の商店街の自転車屋に行った。三輪車を買ってもらった。それに乗って思い切りこいだ。線路の下の坂が急だ。三輪車がピューと走り降りた。登りが大変だ。津田は、力を入れてこいだ。登り切った。駅の西側に出た。そこからもこいで進んだ。悟郎は横を歩いて、進路を指示する。花川まで行く気なんだ。十三公園に入って休憩した。

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