第39話 ついに溢れる

 ダンジョンが世間に浸透し始め4か月が経過したころに事件が発生した。まさか、これが多くの死者を出す大事件になるとは誰も予想をしていなかった。


 東京某所にある住宅街にダンジョンがあることを国に報告せず自分で管理している頑固者のおじいさんが居ました。ダンジョンが見つかれば国によってその土地は買い取られることになるため、おじいさんはその土地を誰にも渡したくないことから蓋をして封印していた。ところがある日の昼頃に庭からドンドンと大きな音が住宅街に鳴り響いた。


「なんの音だ?」

 家主のおじいさんも音に驚き庭へと飛び出した。どこから音が鳴っているのか探したところ3か月前に蓋をしたダンジョンからだった。


「一体中で何が起こっているんだ……」

 おじいさんはどうしていいか分からないまま黙ってダンジョンがある場所を見続けるが音は鳴り続けている。


 ドンドンドンドンッ!!

 ついに蓋が勢いよくはじけ飛んだ。中からはゴブリン、オーク、スライム、コボルトなどの強さで言うとLv.3~8相当の魔物が続々と中から現れる。


「こ、この化け物どもめ!」

 おじいさんは異形の存在に見かって近くに落ちていたほうきを拾い震える足で立ち向かおうとする。しかし、ステータスを持たないおじいさんに勝てる見込みは0%。オークの槍に腹を貫かれ大きな悲鳴を上げる。


 ぐっぁぁぁぁー

 次々と現れる魔物たちは横たわる人間をものともせず踏みつぶす。そして、魔物たちは続々と塀を破壊して敷地から飛び出し、謎の騒音と悲鳴を聞きつけて外から様子を見ていた野次馬達へと襲い掛かった。


「キャーー魔物よ!」「うわーた、助けてくれー」「冒険者はいないのか?」「警察、警察に連絡をしろー」「グワッ……」


 現場はまさに阿鼻叫喚の地獄の様だった。次々と人が襲われ大人も子供も次々と殺され辺り一面死体が転がりっている。


 このように未発見のダンジョン、私利私欲のために隠していたダンジョンで間引きが行われなかったために許容量を超えてしまった魔物たちが外へと出て本能の赴くままに人や動物を襲い殺し虐殺の限りを尽くし始めたのだ。


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